色んな言葉に感じてくれれば光栄です。
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映像に堕する
電車の窓越しに
猛スピードで遠ざかっていく
背景たちを見ながら
彼女は後ろに立つ彼に
ゆっくりともたれ掛かった
『過ぎていくね』
『うん』
『速いね』
『うん』
そんなやり取りを見ていた俺は
彼らを写真に撮りたくなったが
すぐにそれは止めた
写真なんかじゃ何も映らない
カメラじゃ切り取れない
写真には納まらない
写真は動かない
そんなモノに価値は無いんだ
目の前に在るモノは
ファインダー越しに見たら
『映像』に堕する
更新日時:
H17年7月19日(火)
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