季節の一言。


色んな言葉に感じてくれれば光栄です。


938    鋭利
 
息継ぎをするように
酒をノドの奥に流し込んで
 
麻痺させた頭を揺らしながら
君を眺めていると
 
なんだかとても安らいで
なんだかとても眠くなって
 
触れたい気持ちを抑えて
冷えたグラスに手を添えて
 
氷が融ける様を
ジッとただ見続ける
 
死にたいと彼女がつぶやいた
死ぬなよと笑って言った
 
グラスの冷たさが指を伝って
体の芯に沁みてきた
 
堪えられなくなって
小指を絡ませた
 
更新日時:
H22年4月20日(火)


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