対人関係においての言葉の重要性について説こう。
言葉の言い回し一つで相手に与える印象は変わる。
上級者になれば相手の心情を操作したりも出来る。
そして相手の心情を操れれば自分の思い通りの展開に出来る。
対人のエキスパートはそれを自然にやってのける。
成績の良い営業マンなんかはその最たる例だろう。
俺の場合は常にそうする事が面倒臭いし、
全てが上手く行くのもつまらないと考えるタチなので、
対人のエキスパートにはまだなれない。
しかし、その事について説く能力はあるので説明させていただこう。
時間に余裕のある人は是非とも読んでほしい。
例えば、電車内で着信があった場合の対応を考えよう。
電話に出ちゃうのはナシの方向で。
メールで返答する場合に限定する事にする。
俺が実際にメールの返事に書く例を思い付くままに列記してみよう。
「今、電車だから後でね。」
「今、忙しい。」
「今、電話ムリ。」
「ゴメン。電車に乗ってる。」
「何?」
「どうしたの?」
「どした〜?」
「今、電車だからこっちからかけ直す。」
「ゴメンね。今、電車に乗ってるから出れないんだ。」
「電車だけど、どした?」
こうしていくつか例を挙げるとある法則に気付く。
返事の内容はこの5つの要素の組み合わせからなるのだ。
1:電話に出れない理由を話すかどうか。
2:口調を優しくするか冷たくするか。
3:あとで連絡をするかしないか。
4:出れない事を謝るか謝らないか。
5:相手の用件を聞くか聞かないか。
相手の性格と相手との力関係から口調の傾向が決まる。
そして相手にどんな印象を持たせたいのかによって、
具体的なセリフ選びを行う事になるのだ。
ここで重要なのは自分の気分や感情のままに言葉を出さないこと。
必ず、セリフを考えてから頭の中で相手の反応まで予測しなければならない。
そして相手の反応が自分の思った方向に行くと思ったらセリフ決定だ。
メールでは言い方や表情は相手に伝わらない。
そして相手に返事を送るまでにセリフを考える時間を取る事が出来る。
しかし、電話の場合は言い方のニュアンスが読まれる。
返事をするまでに考える時間もあまり無い。
直接会話はさらに表情や態度も見られる。
表情や態度で素を出さず、相手を惑わすキャラを演じる事が出来ない、
もしくは読まれたりしたくない人はメールを使うのが得策だろう。
俺は毎回このプロセスを踏む。
メールを受ける相手の事を考えながら自分に都合の良い展開を目指して。
しかし、やはり俺は電話でガンガン攻める方がラクだ。
俺はハナから相手の態度など気にしてはいないから。
相手よりも数手先を読んでいる自信がある。
直接会話ならさらに有利になる。
相手は俺の表情や態度を見てさらに惑う事になるからだ。
俺は相手が不安になるような表情や態度をしていればいいだけ。
だから俺は俺の心を読もうとする人間に対しては限りなく強い。
ただし、俺が強くなれない相手もいる。
俺の心を全く読もうとしない人間に対しては強くなれないのだ。
相手が全く俺の心を読まなければ得意技が出せなくなる。
俺の得意技の半分は仕掛けてくる相手に対するカウンター技だからだ。
だから素直に甘えてくる子には弱い。
丸腰の捨て身で向かってこられると攻撃もできない。
笑顔で抱き着いて真っ直ぐな目で好きと言われたらボロ負けになるだろう。
意地悪を言っても本気で悲しまれたら謝ってしまうだろう。
その時、俺はその女とずっと一緒に居たいと感じるはずだ。
そういう女が相手なら恋愛は勝ち負けじゃないと思えるのだ。
俺が駆け引きをしなくなったら本気の合図。
大事に大事に守っていく事を決めた合図。
2005/03/28
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