前回の『強くしてやれ』で書き忘れたことがあった。
前回のヤツに追記するカタチでも良かったけど、せっかくだから新たに書く事にする。
前回も書いたとおり、俺は理想の自分を使って強くなった部分が大きい。
俺は頭に思い描いている理想の自分で、現実の自分に対して指示していた。
「こうやってやればサラッと出来るはずだぜ?」ってなカンジで。
時には罵声を浴びせて悔しがらせたりもしていた。
「おい、ヘタレ。そんなのも出来ねぇのか?何をビビってる?」みたいなカンジで。
そのためには現実の自分はどんな言葉に奮い立つのか、
またどんな言葉を浴びせたら悔しがるのかを知っている事が必須だ。
また、現実の自分は理想の自分の言う事には素直に反応する事が不可欠だ。
つまり、ミエミエの挑発にも乗るようにしなければならないという事だ。
そして何よりも大事なのは、現実の自分が成功したら声を掛ける事。
その褒め方も数通りあればベターだ。
「俺、出来たよ。やったぜ!」
「当たり前だろ。オマエは凡人じゃねぇんだからよぉ。」
「ホントに出来た…。」
「やりゃ出来んだ。チカラ隠してんじゃねぇぞ。」
「俺も出来るんだ…。」
「あぁ、そりゃ当然だ。オマエは俺だからな。いずれ最高の男になるんだ。」
この時に、理想の自分の表情を思い浮かべるんだ。
ニヤリと笑って得意げにしてる感じの表情だ。
良い意味で『カッコ良くスカしてる大人』ってんだろうか。
現実の自分はいつだってガキで。
理想の自分はいつだって大人で。
二人で力を合わせて一つの問題を解決するんだから、
一人でやってるヤツなんかに負けるわけがねぇんだよ。
若い頃、俺にライバルが出来たことがあった。
その時にそれを強く実感する事が出来た。
その男は一人で悩んで苦しかったと思う。
どんどん思い悩んで暴走していってたんだ。
俺は内面が一人じゃないから苦しくなかった。
『修羅場の時にこそ、クールに。』
理想の自分がそう言ってたから俺は冷静になっていられた。
『あんなヤツ、敵じゃねぇよ。最後に笑うのはこっちだ。』
理想の自分がそう言ってたから目先の事に捉われなかった。
最強の男が俺の味方に付いてたんだから、負ける気がしなかったね。
今は二人で一人。
現実の自分と理想の自分が重なった。
2005/12/17
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