俺のたわごと

ま、たわいのないことばっか書いてますけど暇なら見てね。
日々の考え事、昔の事などが書いてあります。

 415   あぁ懐かしの一気ゲーム。
 
水商売をやってた頃は色んな一気ゲームをやった。
 
中でも『どっちですかゲーム』はかなり熱かった。
ゲームのルールは単純かつ明快だった。
『○○と○○どっちが好き?』『せーの!』でどちらかを言う。それだけ。
 
そして少ない方のチーム全員が一気で飲む。
多数決のゲームなので一発で勝負が決まる。
10人くらいでやってると一気に3人で飲んだり、ってな事もアリアリ。
 
そして何よりも楽しいのがその後に互いの嗜好を議論しあう事。
 
例えば、お題が『うどんそばならどっちが好き?』というモノだとして、
7:3でうどん派が勝ったとしよう。
 
そうすると負けた事に納得が行かないそば派はそばの良さをアピールし、
「オマエはホントに美味いそばを食った事が無いだろ。」などと罵る。
うどん派は「そばはすぐに伸びる。キライじゃねぇが好きじゃねぇ。」などと言ったり。
 
この戦後のやり取りが面白いんだ。
お互いの嗜好や価値観とか垣間見えるってのもあるし。
 
そして、議論が白熱してても構わず次のお題に突入。
お題を言う人は時計回りで順番にするか、もしくは一気した人の中から決める。
ステキなお題を思い付いた人が居たら順番など関係無しに言わせるべき。
その方が盛り上がって熱くなれるのだ。
 
あぁ、ゲームをする上で一つだけ注意点がある。
お題にすべきでないモノはお題にしてはいけない。
ケンカの種になるから。
 
 
他にも一気ゲームは色々ある。
 
『指ゲーム』なんてのもシンプルだが根強い人気だった。
両手を前に出して「いっせーの、3」とか言って立てた親指の数を当てるゲームだ。
 
3人いれば手は6本。
親指の数も6本。
別に上げなくてもいいので、当てる数値の範囲は0〜6になる。
 
見事に数を当てた人は手を一本引っ込める。
つまり、2回当てると勝ち抜けだ。
そして最後まで残ってた人が負けで一気する。
 
ウチの地元にはコレの派生として『地獄の指ゲーム』ってのがあった。
このゲームに適用される地獄ルールってのは立てた指は最後まで下ろせない事。
 
だから親指を立てるのも勇気がいる。
自分の数値の選択範囲が狭くなる事はリスクがデカ過ぎるからだ。
 
かといって、全員が尻込みしていると「せーの、0」でドンドン他が勝ち抜けて行く。
誰かをハメて自分が勝たなければいけないのだ。
 
そんな中、最初から2本立てるバカもたまに居るから面白い。
「終わったな。」と周りで囁く声が何とも言えない。
 
 
 
 
さて、俺は人生の中で3度ベロベロに酔った事があるんだが、
一回目はパブのボーイをやってた時だった。
 
相手は酒豪で有名な常連のケンジくんというお客さん。
「有也、オマエ酒強いらしいじゃねぇか。」の一言が始まりだった。
 
俺は高校の頃から「アイツはザルだ。」と言われていた。
酒をいくら飲んでも潰れなかったからだった。
オカンの家系は酒豪が多いらしく、酔い潰れる人間は居なかった。
俺はその血を引いてるらしい。(オトンの家系は弱いくせに飲む)
 
ケンジくんはそんな俺のウワサを聞いて、「俺と勝負しようぜ」と言った。
ケンジくんも相当のザルで有名だった。
俺は「負ける気がしないね。」と受けて立つ事にした。
 
勝負するからにはルールを決める必要があった。
ただ競って飲むのでは面白くない。
何かのゲームをしてどっちかが潰れるまでやろう、と決めた。
 
すると、店のカウンターにトランプがあった。
「コレで勝負しながら飲むか。」
「OK。」
「ダラダラ勝負するのは避けよう。」
「そうだね、じゃあブラックジャックで。」
「いいぜ。」
「負けないよ?」
 
負けた方はいさぎよく、コール無しで一気。
クッと飲んでカンッと置いて相手が酒を作り、また勝負。
飲むのは焼酎のウーロン割りで割合は半々と決めた。
 
そして、どっちかが潰れるまでというルールの下に勝負は延々と続いた。
朝方になり、「まだ行けんぜ!アァ!?」とか言いながらやっていた。
いわば、『飲みタイマン』ってなモンだろうか。
 
そして俺は生まれて始めて酒の飲み比べで引き分けた。
ロレツが回らなくなったのも初めての体験だった。
 
 
それから俺はムチャな飲み方をしなくなった。
 
俺はロレツが回らなくなってもゲロを吐いても記憶だけは失くさない。
…その日の自分自身の醜態も鮮明に残っていたのだ。
 
 
2006/01/09


前のページ 目次 次のページ



[トップページへ]