さて今日はクリスマスイブ。
というわけで俺のクリスマスの思い出話をしようかな。
一番記憶に古いクリスマスは幼稚園時代。
俺は電車のおもちゃが欲しかったんだ。
ちょっと手で走らせるとその勢いでしばらく進むやつ。
ブリキ製のやつが理想だったんだ。
俺は親と一緒にサンタにお願いした。
ベランダから星が見える夜空に向かって。
「おもちゃの電車を下さい。」ってね。
クリスマスの朝、起きると枕元にプレゼントがあった。
半信半疑だったね。
本当に電車のおもちゃなのかなって。
開けてみると俺の理想どうりの電車のおもちゃが2個も入ってた。
屋根の部分にボタンが付いてて押すとドアが開閉するものだった。
想像通り、いや想像以上のモノだった。
俺は何故サンタが俺の考えてる事がわかるのかが不思議でしょうがなかったくらいだ。
俺は「電車のおもちゃが欲しい」としか言わなかったのに。
親にも細かい事は言ってない。
なのにこんなにも完璧なプレゼントをくれるなんて。
泣きたくなるほど感動した。
さてそれから数年。
俺は毎年クリスマスシーズンには「ファミコンのカセットが欲しい」と言っていた。
しかし一度も貰えた事は無かった。
その頃、オカンは「ファミコンばっかりしてちゃダメでしょ!」と言っていた。
1日に30分まで、とか時間制限があったんだ。
そうそう、10歳くらいまでは白黒テレビでファミコンをやってたんだ。
カラーテレビもモチロン家にあったんだけど、ファミコンは親に嫌われてたんだよね。
カラーでマリオを見た時はちょっと嬉しかったっけ。
そう、この頃から徐々にサンタに不信感を感じ始めていた。
「何故、お願いした物をくれないんだろう?」
小学1年から4年くらいまでその繰り返しだった。
プレゼントを貰えない年は無かったが、
理想どうりの物を貰える事も無かった。
ある年はことわざ辞典だった。
兄貴には中国の慣用句辞典だった。
学研かなんかのマンガのやつだ。
(男の子マニュアルの「将を射んと欲すればまず馬を射よ」とかはこれで学んだ)
「こんなの頼んでねえぞ?」
そう思ったね。
この頃からかなあ。
俺がひねくれだしたの。(笑)
そしてサンタの存在もいい加減わかる年になったある年、
その年のプレゼントで俺はトドメを喰らった。
6年の時だっただろうか。
クリスマスバージョンの模様の包みを開けると、
見覚えのある近所のスーパーのファッション館の包みが出てきた。
そしてその中から出てきたのは緑と紺の横じまのポロシャツ。
今まで色々な服を見てきたが、
それは中でも着たくない服のナンバー1だった。
「なんでサンタが近所のスーパーでプレゼント買うんだよ!」
そう言って服を投げ捨てた俺は無性に悲しくなってきた。
本当は知ってたけど知らないフリしてたんだ。
サンタの正体が誰かって。
でもどこかでサンタを信じる心もあった。
だって、プレゼントを置いてるトコは一度も見たことが無かったからね。
でもハッキリわかったよ。
この服選びのセンスでね。
知ってて騙されていたのに何故悲しいのか。
それがわからないから、なおさら悲しかった。
そのあと服を投げ捨てた事で怒られてイジけて泣いたっけ。
「ごめんね、お母さん。せっかく買ってくれたのに。
でも趣味悪すぎなので却下させていただきます。」
そんな心境だった。
よりによってこんなに趣味が悪いなんて。
そう思うとある意味、泣きたくなるほど感動した。(笑)
いや、あそこは笑うトコだったんだろう。
しかし未だに見たことないんだよな。
プレゼントを隠してる場所と置いてる現場。
うちの親にあやかって、俺も将来子供にバレないようにする技術を会得しなきゃ。
そしてことわざ辞典もプレゼントするよ。
なんだかんだいって、すごく役に立ったしね。
今となってはあのシャツもいい思い出だよ。
冬なのに半袖の夏服。
今もタンスの奥に眠ってます。
一回も袖を通さず大事にしてます。
そんな、いつかのメリークリスマス。
作成日
2002/12/24
最終更新日
2004/03/26
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