夢の話


管理人・有也の見た夢のコラム。
夢は潜在意識の表れだというが・・・変な夢ばっか。

 75   兄貴と2人旅。
 
久々に夢を見た。
風邪を引いていたからかもしれない。
 
-----------------------------------------------------
 
俺は兄貴と2人で電車を乗り継ぎ、どこかに向かう途中だった。
多分、家に帰ろうとしていたんだと思う。
 
夢の中で電車が出てくる時はいつも東京の北側を移動している事が多い。
なぜ北側とわかるのかは謎だが、北側ということだけはわかる。
今回も例に漏れず、そのパターンだった。
 
しかも、存在しない駅ばかり。
色んな駅のイメージがグチャグチャに混じっているんだと思う。
一度、ホームから線路に降りて踏切を横切る駅とかもあったりする。
 
そんな旅の途中、20歳前後の女の子3人組とちょっと話をした。
行き先を聞いてみると同じ方面だったので、途中まで着いて行けば間違いないなと思った。
 
しかし、次の乗換駅には電車が予定より早く来ていた。
「あ、これじゃね?」と兄貴が乗ろうとした。
でも、女の子らを見ると「え?え?」と迷っている。
 
俺はなんとなく嫌な予感がした。
『…これは違うんじゃないか?』
辺りをキョロキョロと見回すと、ホームは直角になっていた。
 
つまり、ここは直角に電車が交わり、2路線が入るホームなのだ。
女の子らを見ると、もう一方のホームで電車を待っている。
あっちが正解だ。
 
「おい、そっちじゃねぇぞ!」
兄貴に呼びかけると、兄貴は慌てて電車から降りた。
「なに!?」
「あっちだ!急げ!」
 
兄貴を電車から降ろして先に行かせ、2人でもう一方の電車に駆け込んだ。
俺が入る時にちょうどドアが閉まってきて、軽く挟まれたが、強引に押し通った。
 
「やれやれ。間に合ったな。」
俺が腰をかがめて一息ついていると、いけ好かない口調の野郎が背中に乗って来た。
「駆け込み乗車なんてしたら〜、迷惑なんですけど〜。」
 
そいつの年は20歳前後ってトコだろうか。
俺の背中に土足で乗ってやがる。
あまりの無礼な態度に電子レンジ並の短気さでキレた。
「テメェ、誰の背中に乗ってやがる!」
頭を引っ掴んで床に落とし、そのまま胴体を掴んでパワーボム。
そのまま、背骨をバキンと折ってやった。
 
すると、兄貴は首の骨を折ったと勘違いして慌てていた。
「おい!首が折れたんじゃねぇか?」
「いや、違う。」
 
その時、次の駅に停車した。
俺はそいつを向かいのホームに投げ捨てて来た。
ヤツは「ううう…。」と、うめき声を上げていた。
 
ちょうど電車が来て、そいつを轢く直前で止まった。
運がいい。これでヤツが隠れる形になった。
「人が落ちたぞー!」
側に居た何人かが救出しようとしていた。
 
まだ連絡は行き渡ってないらしく、大騒ぎにはなっていなかった。
俺はすぐに元の電車に戻ろうとした。
田舎の路線だからか、ボタン押してドア開ける方式になっていた。
 
冬になると暖気が逃げないようにボタン操作を有効にする路線を見た事があった。
そういえば、中央線の新型車両にもボタンは付いていたような気がする。
アレを使う機会はあるんだろうか。
 
そんな事を思い返していると、兄貴がまだ首の心配をしていた。
「ボキッて鳴ってたぞ…。」
「いや、首じゃない。そうすると全身麻痺になるかもしれないからな。」
「ほう。」
「背骨を折ったんだ。背骨なら下半身くらいで済む。」
サラッと残酷な事を言った気がするが、夢の中だからしょうがない。
 
しばらくすると、俺たちの乗った電車の前に白いコルベットが現れた。
「あいつの兄ちゃんかな?」
冗談交じりに言ったが、ありえなくもないような気がした。
弟の仇を取るために、次の駅に先回りしようというのかもしれない。
そんな想像が働いていた。
 
しばらくすると、電車からアナウンスが入った。
「前の車、危険ですので線路内から退避して下さい!」
コルベットはそのアナウンスが入ると、あっさりと線路から出た。
そして、そのまま側道に凄いスピードで突っ込んで行った。
ヤツとは無関係だったのか…?
よく考えたら、そんなにすぐに復讐に来るはずがない。
 
次の停車駅から、俺らは線路沿いを歩く事にした。
途中、電車が来るのを避けながら、スタンドバイミーみたいに歩き続けた。
スタンドバイミーはちゃんと見た事がないけど。
 
しばらく行くと、子供の集団が何かを探していた。
「ないなぁ〜。」と言いながら、棒切れを振り回していた。
 
しばらくすると、1人が「あっ!」と言って、目の前にいたスズメを叩き始めた。
すると、他の子供達も一斉にスズメを叩き潰し始めた。
それが恐ろしく異常な光景に見えた。
 
ひょっとしたら、殺せる生き物を探しているのか?
コイツらは敵になりうるのか?
そんな嫌な予感が頭をよぎった。
 
1人の子供と目が合った時、俺は「何を探してるんだい?」と尋ねてみた。
「〇〇ちゃんのダンスシューズを探してるの。」と答えた。
 
『良かった…。戦う事にならなくて…。』
俺は心の中で安堵していた。
嫌な予感のする相手は、大抵がメチャクチャ強い設定なのだ。
たとえ見た目が子供でも、凶悪な攻撃力を持っているに違いなかった。
 
子供たちとすれ違った後、しばらく歩くと野辺駅という駅に着いた。
野辺駅…のべと読むのだろう。
(のべ)って響きは何かに似てる。
「野辺 山風を嵐といふらむ。」
「“むべ”だろ。」
キチンとツッコまれた。
 
兄貴が相手だと、こういうボケもキチンと拾ってくれる安心感がある。(夢の中でも)
 
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ
(平安時代の六歌仙:文屋康秀の短歌/古今和歌集/小倉百人一首)
 
線路沿いは桜並木があり、一戸建ての庭で植木に水を与えている父子が見えた。
ポカポカした陽気に包まれ、とても心地の良い雰囲気だった。
 
だが、次の瞬間。
遠くの方から物凄いスピードの電車が迫ってくるのが見えて血の気が引いた。
慌てて兄貴に「よけろ!!」と叫び、横っ飛びで避ける。
 
俺のすぐ横を弾丸のような速さで新幹線N700系が通り過ぎて行った。
時速300kmくらい出ていただろうか。
一瞬でも遅かったらミンチにされていたに違いない。
兄貴は無事だろうか。
 
兄貴を見ると、なんとかギリギリでケガはせずに済んだようだった。
だが、兄貴の靴の端っこは轢かれてペチャンコになっていた。
とりあえず、無事で何よりだ。
 
俺はこれまでのノホホンとした気分が一転、ビクビクしながら線路を歩く事になった。
人の気も知らず、兄貴は「とっとと抜けようぜ。」などとズイズイ進んで行く。
 
もっと気を付けろバカ。
轢かれたらどうするんだ。
そんな不安を持ちながら、俺も後に続いた。
 
辺りを警戒しつつ線路を進んで行くと、どうやらターミナル駅付近に着いたらしい。
目の前には数十本の線路が並行して走っていた。
 
こんな数十本の線路を横切るのはすごく難しい気がする。
しかも、これの何本かを新幹線が通り過ぎて行くようだったら…。
一瞬の気の緩みは即死に繋がりかねない。
 
スーパーカブに乗ったオッサンが向こう側から渡ってきていた。
そんなに危なくないんだろうか。
いや、単に慣れてるだけかもしれん。
 
俺もここを渡るべきなんだろうか。
向こう側まで横断するには数十本の線路を横切る必要がある。
50mはあるだろうか。無事に渡れる保証も無い。
無事に渡れたとしても、向こう側に何があるのかもわかっていない。
 
右に10mほどの位置にホームが1つ見える。
一番近いホームはそれだ。
そのさらに先にも数個のホームがあるのが見える。
電車を乗り継いだ方が安全かつ確実な気がしないでもない。
もう線路を歩くのは懲り懲りだ。
 
左側にもホームが1つ見える。
右側のホームほど近くはない。
ここから30mくらいだろうか。
 
そもそも、目的地はどこだっけ。
合ってるのかもわからないのに、むやみに動く必要はないはずだ。
 
キョロキョロと見回すと、左側のホームで駄菓子の叩き売りをしているのが見えた。
10円駄菓子のヨーグルのメチャクチャ巨大なヤツを売っているようだ。
「ポリ袋(45リットル)に詰め放題でナント500円!」と大声を張り上げていた。
 
そいつぁお得かもしれない。
特にウチの兄貴だったら買うだろう。
 
兄貴を大声で呼び、駄菓子の叩き売りを指差すと、
兄貴は狂喜して左側のホームに駆け出した。
 
『いくつになっても兄貴のこういうところは変わらんのだな。』
そう思った時、夢が覚めた。
 
 
-----------------------------------------------------
 
 
最近、兄貴の息子と遊びたくてしょうがない。
甥っ子カワイイよ甥っ子。
 
でも、そのルーツになるモノってのは、やはり兄弟で遊んだ楽しい記憶なのかもしれない。
今回の夢はそんな潜在意識の現れなんじゃなかろうか。
そんな気がするのだ。
 
甥っ子のためにも、wiiを買おうかなぁ。
 
 
2010/01/04



| Prev | Index | Next |


[トップページへ]