ありえねぇ！
：解説：
朝、電車の中で座席に座りながら資格試験の勉強してましてね。
そろそろ新宿かな、と思って窓の外を見たんですよ。
そしたらまだ手前だったんです。
具体的には中野くらいだったかなぁ。
『まだ時間があるな』と思い、俺は再び問題を解く事にしました。
で、辺りを軽く見渡すと座ってる乗客みんな寝てまして。
「みんな通勤でよく寝れるよなぁ。
寝過ごしたりヨダレを垂らす事は無いんだろうか。」
なんて事を考えながら見てたら隣で寝てたオヤジの手が突然動いた。
両手でマージャンの「ロン」のジェスチャー。
一瞬だったが俺は見逃さなかった。
俺は心の中で大騒ぎだった。
『このオッサン、今ロンしたぞ！
誰かの捨て牌から上がったんだ！』
見れば膝には競馬新聞。
それ以外に荷物は無い。
『コイツは間違い無くダメ人間代表者！』
そう思うと嬉しくなった。
見れば見るほど『飲む、打つ、買う』の三拍子が揃っていそうな予感。
俺はそういう人種が大好きなんだ。
高校の頃に電車の中で会ったホームレスのおっさんと話して意気投合して、
チューハイを奢ってもらって電車内で酒盛りした事もある。
俺自身も昔から世捨て人として生きたいと思っている。
新宿の地下街に本気で住み着こうかと思ったりもする。
憧れの職業、ホームレス。
いやいや、このロンしたオヤジはホームレスじゃなさそうだけどね。
少なくとも落ち着いた家計ではないだろう。
独り身かな？
あ〜テメェの自由が眩しいぜロンオヤジ。
しかし、俺は結婚願望のためだけに『安定』を選んだ。
ホームレス、ネズミ講、経済ヤクザ、風俗の店長、金融、不動産。
やりたい裏稼業はいっぱいあったけどそれも諦めて来た。
俺もそっちに行きたかったよ。
でも、もうダメだ。
俺は『安定』などという甘い道を選んでしまった。
そっちには行けそうに無いぜロンオヤジ。
甘っちょろい人間でスマン。
でもそのうち、どっかのパチンコ屋で会おうぜ。
缶コーヒーくらいは奢るよ。
そんな妄想を繰り広げてたら新宿に着いた。
俺はオヤジを名残惜しく見ながら電車を降りた。
次に会った時にロンを見せてくれたら写メ撮ってやる。（笑）
今日の一曲。
東京プリン 「合コン哀歌」
この歌はカズキの持ち歌です。
歌詞が面白いんだよね。
そりゃないぜそりゃないぜ でもEverybodyくじけない
そりゃないぜ 合コンは 俺の生き様さ
男と女と人数あってない 挙句に写真と全然違ってる
そのくせ話し掛けても全く愛想ない
オーダー聞いた全員ウーロン茶 出てきたから揚げ中まで焼けてない
席も男女が交互になってない
あ〜ちなみに俺、合コンは嫌いです。
高校の頃に数合わせの義理掛けで行った合コンは3回とも最悪だったから。
俺はそんなどうでもいい女を相手にするよりも家で好きな子に電話してたかった。
他の女なんかどうでも良かったんだよ。
色目を使われても気持ち悪いだけ。
それでも愛想を振りまかないと幹事のダチの顔を潰すからボランティア。
あの頃の俺は純粋だったなぁ。(笑)
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