季節の一言。


色んな言葉に感じてくれれば光栄です。


103    失いたくない女
 
俺の帰りが遅くて君は何度も電話を掛けてきた。
俺は電話に出なかった。
その時、俺は他の女とベッドで跳ねてたから。
 
俺が帰ると君は何も言わずに御飯の支度をした。
何も言われない事が痛かった。
 
御飯の支度を済ませた君は
俺に見えないように部屋の隅で泣いてた。
 
「ゴメン。店で寝てた。」
俺はウソを付いた。
 
「うん。」
君は顔を上げずに俺に抱きついて泣いた。
 
俺は心の中で何度も謝った。
ゴメン、こんな君を放っておいて俺はバカだ。
ゴメン、君を失いたくないよ。
 
抱き寄せる資格も無い自分への罰として
その日は君と離れて寝た。
 
君は俺の背中にしがみついてきた。
俺は涙が溢れてきた。
更新日時:
H17年1月15日(土)


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