季節の一言。


色んな言葉に感じてくれれば光栄です。


871    あの家の記憶
 
「手のかかるペットは見返りが少ない方が価値があるのよ」
M男にモテる彼女がそう言っていた
 
ミャーミャーと勝手気ままに鳴きつく
野良ネコみたいな彼女は
 
寒い時だけ人にすり寄り
暑くなったら離れて行く
 
俺はノミが付くのがイヤだから
すり寄られる前に離れてみた
 
彼女は捨てられた時の事を思い出したのか
怯えた表情になって懇願するような目で俺を見た
 
いつまで痛みの記憶に縛られてるんだ
おまえを傷付ける者はもういないはずだろ
 
ここはあの家じゃないんだぜ
 
更新日時:
H20年9月8日(月)


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