俺は飽きっぽい性格のため、みんなと遊んでいても何か見つけると、
すぐに「いっち抜っけたー!」といって、みんなのもとを離れていた。
そして一人で遊びだすのだ。
例えば、好きな子の家の近くで遊んだり、虫取りをしたり、
家でファミコンしたりと様々だった。
兄貴はそんな俺の性格をよくわかっていたので、
俺と遊ぶ時は俺が飽きないようにミニカーでもキン消しでもなんでも、
俺と遊ぶ時は必ず「やられ役」を買って出た。
例えばそれがミニカーなら、
俺「ブブ−。銀行強盗だー。金を出さんとぶち殺すぞー!」
兄「待ってくれ。金は出す。出すから命だけはお助けをー!」
俺「ほら、早く出せ!へっへっへ。ありがとよ。
おまえはもう用済みだ。死ねい!!!」
兄「や、約束が違うぞ!」
俺「出さんとぶち殺すと言っただけだ。
出せば殺さないとは一言も言ってないぜ。
見られたからには死んでもらう。」
兄「う、うわー!!!」
俺「ダダダダダダ!はっはっは!逃げろ!ルパンルパーン♪」ってな感じだ。
どういう展開にすれば、俺が気持ちよく飽きずに遊んでいられるかを
とことん知り尽くしているのだ。
ちょっとでもここで思いどうりに行かないと、
「やめた!」と言われるのがわかっていたんだろう。
いつも負けてくれていた。
兄貴は昔からこらえ性があったね。
ずっと俺のやることに合わせてくれていたんだ。
兄貴がいつも譲ってくれてたことに気付いたのは俺が18過ぎてからだった。
兄貴だって気持ちよく遊びたかったんじゃないのか?
俺に合わせてまで遊んでくれて兄貴はそれで満足だったのかい?
そんなことを考えてしまう時もある。
そんなうちの兄貴。俺は大好きです。
いつもありがとう。最高の兄貴です。
2002/05
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