生きているうちに心に傷が付く。
それが原因で臆病になるか他人に優しくなるか、それはその人次第。
俺は傷を受けているうちに防御法を知った。
それを知るまでは臆病になる一方だった。
相手の攻撃を受け流す。
俺の取った方法のそれはチャラけて流す事だった。
「アッハッハ!しょうがねぇなぁ有也は。」
そう言わせれば勝ち。
そしてそれが唯一の救い。
そのうち本当に強くなった。
受け流す事で俺を攻撃する人間がいなくなった事と、
色んな思考を深める事で自分に信念を持つようになったのが原因だと思う。
すると今度は他人を傷つける者の心境が読めるようになった。
中でも人に先制攻撃をする事で防御する類の人間が意外に多い。
攻撃は最大の防御という単純思考だ。
自分がマトになる前に他人をマトにするんだ。
自分の中の恐れに食われる前にイケニエを探すわけだ。
「なんだ。こいつらも臆病者か。」
それで恐れる事は無くなった。
そうなると俺は敵が居なくなってる事に気付いた。
本当は敵なんか居なかったんだ。
弱い心がそう思わせてただけだったんだ。
複雑に見えて原因が掴めないから恐れるんだ。
幻を相手に戦っているようなものだ。
正体が見えちまえばどうって事はない。
幻なんか恐れる必要は無いんだ。
他人からの攻撃も攻撃とは思わなくなった。
まるでスローモーションのパンチを受けるようだった。
いくらでも対処のしようがあった。
受け止める事も出来るし、そのまま避ける事も出来る。
攻撃してくる相手の心を傷つけないためには受け流す事が必要だと思った。
それでも機嫌の悪いときには受け止めてカウンターを当てに行っていたが。
傷を恐れて行動しなくなる人間も多い。
それじゃいつまでも根本の解決にはならないんだ。
だから俺は時に厳しく、時に優しく、防御法を教えていこうと思う。
昔の俺は誰かに教えて欲しかったから。
俺の名は有也。
最強のアドバイザーを目指してる。
まずは恋愛から。
だから今の名は恋愛エキスパート有也。
俺が道を教えてやる。
でも歩くのはおまえだ。
2004/04/14
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