俺のたわごと

ま、たわいのないことばっか書いてますけど暇なら見てね。
日々の考え事、昔の事などが書いてあります。

 424   理不尽だよ、オサムくん。
 
いきなり思い出した。
高校2年の時の思い出。
 
 
その頃、俺はSaityと一緒にガソリンスタンドでバイトをしていた。
そのバイト先に一つ年上のオサムくんという先輩が居たんだ。
 
オサムくんは面白いし、俺らと波長が合ったからすぐに仲良くなれた。
当時の彼はNSR50(通称:Nチビ)に乗って走り屋みたいな事をしてたっけな。
「140kmで走れる50ccだぜ!」とよく自慢されたもんだ。
ちなみに彼の頭はボウズだった。スキンじゃなく。
 
 
ある日のこと。
オサムくんが「女紹介しろよ〜有也〜。オマエばっかズリィぞ〜。」と言ってきた。
「別に遊んでないっすよ、オレ。」と言うと、「ウソつけよ!Saityに聞いたぞ!」と言われた。
 
Saityをチラッと見ると「有也、遊んでんだろぉ〜。」と言いつつ、ほのかに笑ってやがる。
ヤツめ、自分が女を紹介するのがダルイからって俺に回したな。
あ〜、メンドクセー。
 
「わかりました。めぼしいの居たらそのうち紹介しますよ。」と言ってテキトーに流そうとした。
「そのうちじゃない。今すぐだ。」と、彼は俺に軽くヘッドロックを掛けてきた。
「しょうがないなぁ、オサムくんは。わかりましたよ。」俺は笑って承諾した。
 
当時、俺はルーズリーフに女の子リストを作っていた。
この頃はケータイなんて無かったし、ポケベルに入力するのも番号のみ。
個人の情報をメモするには紙ベースのモノが手っ取り早かったんだ。
 
「うぉっ!何?このリスト!ちょ、ちょっと見せろって!」
「ダメです!これは企業秘密です!」
 
「うるせぇ、見せろ〜!」
「あっ、もう紹介しませんよ?」
 
「あっ、ウソです。有也さん。」
「まったくもう〜。すぐに見境が無くなるんだから。」
 
俺はその中から紹介する子を選んだ。
「あ。この子、新しい彼氏が欲しいと言ってたっけなぁ。」と俺が呟くと、
「マジで!?その子いくつよ?」とオサムくんはがっついてきた。
 
「俺とタメっすよ。」
 
「高2かぁ。いいねぇ。どこの子?」
「学校はS学園っすね。」
 
「S学園かよ。ちょっと遠いな。」
「でも、この子の地元はココから20分くらいだったと思いますよ。」
 
「じゃあその子でいい!紹介してくれ!」
「どうしよっかなぁ。(笑)」
 
「お願いします、有也様!」
「プライドは無いんすか、オサムくん。」
 
「女が出来るなら、プライドなんていらねぇよ。」
「お〜、名言。カッコイ〜♪」
 
俺はその子と連絡を取るため、女友達に電話をすることにした。
 
「ところで、いきなりサシの勝負でいいんですか?1対1で。」
「え〜、どうだろう。オマエらも来いよ。俺一人じゃヤダよ。」
 
「あら、俄然弱気だこと。」
「いや、別にいいんだけどさぁ。」
 
 
どっちだ。
 
とりあえず、3:3で合コンみたいなノリの方が打ち解けやすいだろうと思い、
女の子の側も3人来てくれるように言っておいた。
 
 
 
当日。
こっちは俺・Saity・オサムくんの3人で待ち合わせの駅に来た。
 
相手の方も3人で来た。
彼氏を欲しがっていた、由佳子ちゃんとその友達2人。
2人は由佳子ちゃんの応援で来てくれたんだろうか。
由佳子ちゃんが彼氏を作れるようにアシストってか。
優しい友人だなぁ。
 
由佳子ちゃんが言うには友達2人も彼氏が欲しいらしい。
「やだぁ〜、由佳子ったらぁ〜。言わないでよぉ〜超ハズかしいんだけどぉ〜。」
一人のブスがこっちをチラチラ見ながら騒ぎ出した。
 
黙れ、下等生物。
俺様は手持ちの女で忙しいのだ。
色気づいてんじゃねぇぞ。
 
俺は心の中でそう叫んだ。
Saityもきっと戦闘力が上がってるに違いない。
そう思って俺はSaityをチラ見した。
 
Saityは「よし!じゃあ行こうぜ!」とサワヤカに言った。
 
ナゼ?どうしてこんなにサワヤカで居られるんだSaity?
いつもなら俺よりも批評が厳しいキミが何故Saityオリジナルスマイルを出す?
 
ナニ?Saityったら、今日はオサムくんのアシストに徹して、
他がどんなに寒くてもブスでも場を盛り上げるつもり?
 
アンタ…めっちゃエエ男やん…。ポッ(*・・*)
 
 
わかったよ、Saity。
俺も、俺も頑張るよ!ハハッ、俺としたことが…間違えてたぜ…。
 
今日はオサムくんのために一日使うんだもんな。
オサムくん、めっちゃいいヤツだもんな。
わかったよ、Saity!俺も、俺も頑張るよ!
 
 
「とりあえず、カラオケに行くか。」ってなノリで近くのカラオケボックスへ。
これは俺の提案だった。
 
合コンといえばカラオケでしょ。
何よりも重要なアシストは、俺らが他の二人と一緒にうるさくすることだ。
その中で二人が話をする際には聞く側に耳打ちしなければならない。
そのやり取りが二人を近づけるのだ。
 
実際、そういうカンジになっていた。
オサムくんが由佳子ちゃんに耳打ちし、由佳子ちゃんがオサムくんに耳打ち。
気が付けば隣同士で座ってオサムくんも肩に手回してるし。
由佳子ちゃんもポワーッとなってるし。
 
とんだ尻軽…ゲフンゲフン
上手くいって良かった。
オサムくんも楽しそうだし。
 
 
そしてカラオケ後、由佳子ちゃんの友達二人と俺とSaityは解散。
由佳子ちゃんとオサムくんに「じゃあまたね〜ぃ。」とバイバイ。
二人はそのままどっかに行くらしい。イヤらしいねぇ。
 
「ねぇ、こっちもどっか行く?」
ブスの一人がウインクしそうな勢いでこっちを見た。
 
俺はチラッとSaityを見た。
俺はSaityの目を見て心を読んだ。
 
うわぁ〜、この目は帰りたい時の目だぁ〜。
付き合いが長いからこそわかる、この呼吸。
 
「あ〜悪いけど、俺らはちょっと用があるから。」
 
「そっか。じゃあまたね〜。」
「おぅ。」
 
 
Saityの家に帰ると、彼はタバコの煙を吐きながらこう言った。
「ブスだろ!あれはないだろ!」
Saityの評価はやはり厳しい。
あぁ、やっぱりオサムくんのために我慢してたんだね。
俺より大人だよ、オマエさんは。
 
 
 
そして2ヶ月後。
オサムくんがこう言って来た。
 
「有也ぁ〜、女紹介してくれよ。」
「え?由佳子ちゃんは?」
 
「アイツさぁ、マ○コくせぇんだよ!有也ぁ!」
「アッハッハ!それ、俺のせいじゃないし!」
 
「手洗っても臭い取れなかったんだぞ!」
「あらまぁガンコな汚れ。(笑)」
 
「だから別れようと思ってる。」
「えぇ〜?そんな理由で?」
 
「じゃあオマエ、嗅いでみろよ。ヤバイぞ?」
 
「アーヒャッヒャッヒャッヒャ!」
Saityがツボって笑い転げている。
 
「持って行かれるくらい?」
「持って行かれるっつーか、鼻がもげる。」
 
「あぁ…それはヤバイね…。」
「あぁ、だから早く次の女紹介しろよ。こうなったのもオマエのせいだろ。」
 
 
「えぇ〜?理不尽だよ、オサムくん。」
 
 
 
 
2006/03/17


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