原宿、午後3時。
街を歩く青年に色っぽい女が声を掛ける。
「こんにちわぁ〜☆」
「え?」
「あ、見ちゃった?私の事、見ちゃった?」
「え?ハ、ハァ…。」
「じゃあアンケート協力して!お願いっ☆」
「あ、いいですけど…。」
「キャーありがとー!優しいね〜!」
「えっと…どんな内容なんですか?」
「えっとね、食生活に関するアンケートなんだけどぉ〜。」
1時間後。
彼は書類にサインしていた。
30万円の健康器具を購入する申し込み書だった。
彼女の取り分は15万円。
7万5千円は親会員の取り分。
さらに残りの7万5千円は組織からの仕入れ費用だ。
もちろん、原価はそんなにかかっていない。
組織は中国に工場を持ち、3万円で仕入れている。
つまり、4万5千円が組織の純利益だ。
組織は工場を建てる際、建設会社にかなりボッタクられている。
この建設会社の社員はそのお陰で良い給料を貰っている。
:これまでの金の流れ:
街行く青年→色っぽい女→親会員・組織→建設会社→社員
この女、最初は親会員の口車に乗せられてキャッチセールスの会員になったが、
今ではかなりの稼ぎを出すようになり、月に100万ほどの給料になっている。
そのお金は全てバンドマンの彼氏のために使う。
彼の生活費、スタジオ代、打ち上げの飲み代も全て彼女持ちなのだ。
お金は掛かるけど、いつか彼の音楽が世間に認められるはず。
彼女はそう信じて彼を支えているのだ。
で、そのバンドマンの彼はキャバ嬢にハマっている。
池袋のキャバクラのホステスに毎月20万円くらいは使っているのだ。
モチロン、彼はキャバクラに行くお金など稼いではいない。
彼女から貰ったお金をそのままキャバで使っているのだ。
そのキャバ嬢は新宿のあるホストにハマっている。
給料の半分はそこの店で使ってしまっているのだ。
そのホストは人気もあって給料も良いが、よく寝坊して罰金を取られる。
罰金は月に10万円にもなる。
ホストが稼いだ売上げの何割かはオーナーのモノになる。
また、罰金もオーナーのモノになる。
そのオーナーは企業舎弟という名のヤクザで、
毎月毎月、組にまとまった金額の上納金を上げている。
:これまでの金の流れ:
社員
↑
建設会社
↑
親会員・組織
↑
街行く青年→色っぽい女→バンドマン→ホステス→系列ホスト→オーナー→暴力団組織
建設会社の社員は近くのショッピングモールでよく買い物をする。
ショッピングモールはバイトに給料を出す。
街行く青年はそのショッピングモールでバイトをしている。
:これまでの金の流れ:
↓←←ショッピングモール
↓ ↑
↓ 社員
↓ ↑
↓ 建設会社
↓ ↑
↓ 親会員・組織
↓ ↑
街行く青年→色っぽい女→バンドマン→ホステス→系列ホスト→オーナー→暴力団組織
世の中の金の流れを知ると面白いものだ。
アッチに行ったお金の事は気にするな。(笑)
2006/06/28
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