俺のたわごと

ま、たわいのないことばっか書いてますけど暇なら見てね。
日々の考え事、昔の事などが書いてあります。

 537   千人万生。
 
あるところに小夜という娘がいた。
とても美しく、男にも大層な人気であったそうな。
 
小夜は自分が美しいのをよく知っていた。
それを鼻にかけ、1人の男に決めず、ふしだらに遊ぶ日々。
 
小夜は色んな男から贈り物を受け、これを当然と思っていた。
「私は美人に生まれたの。これを利用しなきゃ損でしょう。」
 
やがて、小夜は金持ちの旦那と夫婦になった。
玉の輿に乗った小夜は贅沢な日々を過ごす事になった。
 
晩年になると小夜も皺が増え、衰えてきた。
しかし、小夜は若かりし頃の自分を鼻にかけていた。
 
旦那は自分が心の醜い女を選んだ事を後悔していた。
「若く美しく心の醜い女は、晩年に心の醜い老婆になるのだ。」
その鬱憤は若く美しい女に向き、浮気を繰り返した。
 
そのうちに浮気が発覚し、小夜は恐ろしい顔付きで旦那を責めた。
「あんたは最低の旦那よ!後先を考えないバカよ!」
 
旦那は言った。
「あぁ、違いない。なぜなら、最低の女を嫁に選んでしまった。」
 
 
 
あるところに千代という娘がいた。
とても醜く、男共にもブスとののしられていたそうな。
 
千代は自分が醜いのをよく知っていた。
それを気にして、あまり表に出ず、慎ましやかに暮らす日々。
 
千代には男っ気がなく、それを当然と思っていた。
「私はブスだもの。男に選ばれるはずがないわ。」
 
やがて、千代は1人の青年と夫婦になった。
始めはからかわれているのかと思ったが、彼は誠実だった。
 
晩年になるまで千代は自分を選んでくれた夫に尽くす日々。
千代はいつも笑顔を絶やさぬ老婆になった。
 
旦那は心の美しい女を嫁に選んだ事を誇りに思っていた。
子宝にも恵まれ、幸せな老後を送っていた。
 
千代は旦那に言った。
「あなた、私なんかを選んでくれてありがとうございます。」
 
旦那は言った。
「何を言うんだ。私は最高の妻を選んだんだよ。」
 
 
 
 
 
美しいがゆえに劣等感を持たず、努力を怠る。
醜いがゆえに劣等感を持ち、努力を続ける。
 
美しいけれど劣等感を持ち、ますます美しくなる。
醜いゆえに劣等感が強まり、ますます醜くなる。
 
 
 
 
 
 
人には様々な生き方があります。
あなたの晩年はいかがなものでしょうか。
 
 
俺は劣等感を持たず、才能は磨きたく、豪快な人物になりたい。
身内を守るために悪を知り、悪を退ける力を身につけたい。
愛する家族に囲まれて、感謝の気持ちを表して最期を迎えたい。
 
そうなるためには、今の自分が成すべき事が何なのか。
それが人生の道標になっているように思います。
 
 
 
皆様の人生にも幸多からん事を。
 
 
2009/04/18


前のページ 目次 次のページ



[トップページへ]