どんなことで論争になるのか。
それは実にくだらない事が多い。
例えば冷蔵庫が汚い事についてとか。
うちの母親はモノを捨てられない人間だ。
まあそれがオカンらしいと言えばオカンらしいのだが。
しかし冷蔵庫のドアを開けるとたまになだれが起きる。
そしてイチゴジャムの瓶が足に当たったらバトルスタート。
「なんでいつまでも片付けねえんだよ!」と俺が言う。
「そのうちやるわよ」とオカンは返す。
具体的にこの論争の場合、
俺のスタイルとしては、
「モノを捨てられない癖はオカンの欠点だ」
と指摘するほか、
「取っておいても使わないでいずれ腐らせるものは捨てろ」と言う。
また、賞味期限が激しく切れたモノを見つけ、
その細菌が他の食物に与える影響について説く。
しかしオカンはこの場合、
「アンタの部屋だって汚いじゃない」と俺のアラを指摘した上で、
「片付けられないのは自分だけではないから言われたくない」的な事を言う。
これはオカンの得意の自己防衛だ。
「相手のアラ探し」という伝家の宝刀が炸裂。
しかしここで俺はひるんだ表情すら見せてはいけない。
冷静に「明らかに問題のすり替えだ」と主張するのだ。
ひるんだ顔は相手に自信とチャンスを与える。
決して動じてはいけない。前半はね。
そのうち「うるせえぞ」と親父か兄貴が話しに割って入る。
こうなるとバトルロイヤルだ。
誰を味方にするか、どうやって味方にするかなどを
瞬時に考えなくてはいけない。
大抵親父はオカンの味方だ。
しかし親父もオカンが間違ってるのは百も承知である。
となると俺は兄貴を味方に付けるしかない。
しかし兄貴は中立を通したがる。
そこで俺はオカンが明らかに悪いと主張。
俺の事を引き合いに出すのはおかしいと言う。
この時、なるべく哀れな感じに見せると兄貴は味方に付く。
するとオカンは兄貴を攻撃する。
ここで俺は兄貴が完全に味方になると確信する。
兄貴は攻撃されると「自分の敵」と判断するのだ。
で、結局どうなるか。
親父が「我が家では俺がルールだ。俺に従え。」と言う。
俺と兄貴が「ウワー。言っちゃったよこの人。アホや。」と言って退場。
いつもそんな感じだ。
でもね。みんな最後の方になると笑ってんの。
結局みんなジャレて遊びたいだけなんだよね。
さて、今回は長いぞ。まだまだ続きまっす。
→次回へ続く。
2003/01/21
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