俺のたわごと

ま、たわいのないことばっか書いてますけど暇なら見てね。
日々の考え事、昔の事などが書いてあります。

 80   有線の思い出。
 
みんな有線知ってるよね?
色んなお店の音楽とかも有線が多かったりするでしょ?
まあ主にオリコンとかJ-POPを流してるよね。
 
440チャンネルの有線が入ってるマンションってのもあるんですよ。
すごいよね。しかもタダですぜ?
ま、大抵は騒音のヒドイ地域に限られるんだけど。←ダメじゃん。(笑)
 
440チャンネルの中には不思議なモノもあるよね。
「アリバイ」ってヤツ。
知ってる?
車の音や街のざわめきが聞こえるの。
人の話し声とかもするし。
「外にいるよー。」とか言って電話のアリバイに使うんでしょうね。
 
この有線。
俺には色んな思い出があります。
ラブホテルでオリコン聞いてたらポケモンの歌が流れてきて
ニャンニャン中の気分が乱された事もありました。
だってポケモン151匹聞かされてみろよ。
やる気も無くなるっちゅうねん。
その後は別の音楽でボリューム最大にしたけどね。
 
あともう一つ。
コレは面白かったなあ。
俺と当時の彼女(カナ)が同じ店で働いてたキャバクラの女の子で
レイちゃんっていう源氏名の子がいたんだけど、
その子は彼氏に夜の仕事をしてる事は内緒にしてたんだ。
 
彼にはずっと、「倉庫で事務やってる」とか言ってたらしいんだけど、
ある日、その子のお客さんが「今日行く」と言うからレイちゃんは休日に出勤してきたんだ。
 
その日は休みだと聞いていた彼は仕事が始まる前に電話をかけてきた。
「みんなゴメン!ちょっと静かにして!」とレイちゃんは言った。
みんなが一瞬にして静まり、レイちゃんは電話を取った。
 
有線を切って静まり返った店内にレイちゃんの声が響く。
「もしもし?」
彼氏は「おまえ今日休みだろ。どこにいるんだ?」って感じになった。
「遊んでる」とも言えず、「仕事をしてる」とも言えず、
とっさに彼女が言った嘘は「これからパチンコ屋にいくとこ。」だった。
すると彼は「あ、ちっとキャッチだ。5分後に掛け直すわ。」と言ってきた。
 
レイちゃんに電話の内容を聞いた俺は、
何も言わず有線のチャンネルをユーロビートに合わせ、スピーカーのボリュームを大きくした。
そしてレイちゃんにこう言った。
「俺、パチンコ屋でバイトした事あるから俺がマイクコールを言うよ。
 レイちゃんは普通に電話で話してて。」
みんなはびっくりした顔で俺を見ていたが、俺は冷静だった。
 
レイ「え?有也できるの?そんなの?ホントに大丈夫?」
 
有也「俺はマイクのコールをやりたくてパチンコ屋に入ったんだ。
    大丈夫。まかせとけ。きっと上手くいくよ。」
 
そしてマイクを用意してボリュームを上げると、
ちょうどレイちゃんの電話が鳴った。
 
俺はレイちゃんの顔を見てうなづき、マイクコールを始めた。
そして手で「どうぞ。」とジェスチャーをした。
 
「さあいらっしゃいませ、いらっしゃいませ!本日もご来店頂きまして誠にありがとうーございまーす!さあ本日、オススメ台は5コースCR海物語!さあこちらの方を全台甘釘調整とさせていただいております!さあ早速来ました確率変動!135番台のお客様確率変動大当たり!おめでとうーごーざいます!ラッキー海物語スタート!さあ続きましては6コースCR大工の源さん!156番台のお客様本日3回目の確率変動ラッキースタート!おめでとうございます!」
 
俺がこんな長いセリフを言ってる間に電話は終わっていた。
すぐに音楽を止め、「どうだった!?」と聞くと、
「ありがとー!バレなかったよー!」と言われた。
 
途端にドッと沸き立つ店内。
「すごーい!やったね!」
「良かったじゃーんレイちゃん!」
 
俺はマイクを片付けながらこう言った。
「さぁ、開店準備だ。女の子達は着替えてー。」
女の子たちはニコニコしながら声を揃えて、
「ハーイ!」と言い、更衣室に入っていった。
 
いやいや、あの時は緊張したなぁ。
あんなに緊張したコールは初めてだったよ。
パチンコ屋だったら客なんか聞いちゃいないから間違えても許されるがね。
パチンコのバイトと有線が人の役に立つ事もあるんだなあ。
そう思った出来事でした。
 
辞めてからも練習してて良かったよ。
パチンコ屋のコールを。(笑)
 
 
2003/03/02


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