悪口でも何でもそうなんだけどね。
毒を吐く事で毒が社会に蔓延するわけだ。
友達同士でもそう。
家族でもそう。
毒を吐けばそれが「自分を取り巻く社会」に広がり、
結局はその「社会」も毒に犯され、自分に返って来る。
悪口、陰口、陰謀、陥れる事、掲示板荒らし。
それが蔓延すれば自分に返って来るわけだ。
こないだあるネットゲームをやった時に、荒らしてる人が居た。
具体的にはチートでプレイヤー・キルをしてたのと一文字会話を連続して送信してたんだ。
チートってのはプログラム改変する事。
プレイヤー・キルってのは他のプレイヤーを殺すって事。
一文字会話を連続送信すると、画面内の人の会話内容はすぐに流れてしまう。
つまりオープンチャットでの一般会話がしにくくなるわけだ。
そのゲームは普段、街中で対人戦は出来ないんだが、彼には出来るんだ。
つまり他のプレイヤーは反撃が出来ない。
黙って殺されるか、逃げるしかない。
そして一文字会話をして人の会話を遮っていたわけだ。
俺は彼に話し掛けてみた。
このゲームはオープンの会話以外に二人だけでの密談も出来たんだ。
「もう辞めとこうよ。」
返事は無い。
それでも一方的に会話を続けた。
「他の人に通報されてアカウントが消えちゃうよ。」とか。
「ヒマならなんか話そうぜ。」とかね。
そしたらしばらくして彼は、説得に応じて「もう辞める。」と言ってくれた。
俺はしばらく会話して、一緒に行動する事にした。
ゲームの中で武器をあげたり助言をしたりした。
彼は心を開いてくれたのか、あるときこんな話をしてきた。
「有也さんは自分のお母さんが好きですか?」
俺はすぐに、「うん。好きだよ。両親とも大好きだし尊敬してる。」と言った。
すると彼は、「僕、今反抗期みたいなんです。」と言ってきた。
俺はそれから2時間、彼の相談に乗った。
「誰にでも反抗期はあるし、それは親から自立しようとする
心が芽生えてきている証拠なんだ。」というようなことを言った。
さらに「親に感謝できる日がそのうちに来る。俺は20歳までそう思えなかったよ。でも感謝の気持ちを感じたら親にもやさしく接してあげな。今はお母さんもどうしていいかわからなくて戸惑ってるんだ。」と続けた。
彼は最終的に俺の言う事を理解してくれた。
彼は家族での会話があまり無いらしい。
反抗期になるとそういう風になる家庭も多い。
大体は子供が親に対して反抗し、
それに対して家族は叱ったりもせずに会話が無くなるわけだ。
毒を撒いた結果、彼は家庭で孤立してしまった。
親が毒に負けてしまったからだ。
そして家庭で孤立した結果、他の場所、つまりネット上で人に対して嫌がらせをした。
それは寂しいからだ。
しかしそんな裏の事情も知らない他のプレイヤーは彼を叩く。
毒を撒いた結果、毒が返ってきたわけだ。
俺が親になったら子供がどんな毒を撒いてもそれを飲み干して理解し、
一緒に歩んでいく事が大切だと思った。
最後になるが、いつだったか見たTVの番組で、
ホームレスになった自分の息子のために同じ視点で話が出来るよう、
自分もホームレスになったという母親を特集していた。
結局、息子は母と沢山話をし、ホームレスを辞めて就職したらしい。
母親というものはこうあるべきなんだなぁと感動した。
毒を極力撒かないように、人の毒は飲み干してその人自身を理解してあげられるように。
人間というものはそうあるべきなのではないかと思う。
今回は長くなっちゃったね。
いつも読んでくれてありがとう。
2003/03/27
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