恋愛マニュアルプロローグ

プロローグでは恋愛に関するコラムで
男女別マニュアルに該当しないもの、
または男女両方見て欲しいものを
そこはかとなく載っけております。

 83   恋愛はギブアンドテイクではない。
 
たまに、「これだけしてあげてるのに、相手はしてくれない。」とか、
「付き合ってるのに、マメに連絡してくれない。」とか言い出すヤツがいるが、
その辺はかなり筋違いなので、注意していただきたい。
 
ギブはこっちが勝手にするものだ。
自分が勝手にやってるんだから、一方通行で当然。
 
見返りを求めたところで、もらえるかどうかは相手が決めること。
見返りをもらえなかったからといって、落ち込んだり文句を言ったりするのは見苦しい。
 
「こっちが与えたんだから、見返りがもらえて当然」という主張は、
以下のような主張と同じようなこと。
 
「このイチゴあげる。」
 ↓
「ありがとう。美味しいね。」
 ↓
「でしょ?300円ね。」
 ↓
「えっ…?」
 ↓
「だって食べたでしょ?」
 ↓
「買うとは言ってないけど…。」
 ↓
「こんなに美味しいイチゴをあげたんだから、見返りを払って当然でしょう。」
 
こんな事を言ってたら、この人は素でアタマおかしいのかなと思うよね。
自分が勝手にイチゴを与えたのに、金を払えってのは筋が通ってない。
 
そもそも、売買契約が成立してないからねぇ。
こういうのは押し売りってんだよ。
 
 
“お付き合いをする”という契約も同じように、見返りを与える事までは含まれてない。
なので、権利を主張するのが筋違いになってしまうのだ。
 
“お付き合いをする”という契約に含まれているのは、
“お互いを恋愛対象として見る”というモノだけだ。
 
“休日を相手の為に使う”とか“マメに連絡をする”とか“1日5回は好きと言う”とか、
そんなのはお付き合いという契約条項に一切入ってない。
 
それなのに当然のように主張されると、相手は不満になり、同時にそれが窮屈に感じる。
その結果、「それが当然とおっしゃるのであれば、契約の続行は不可能です。」となる。
基本的に無条件の契約なので、破棄してもペナルティってのは無い。
 
そうなってから泣いても、自分が筋違いな主張をしたのが悪い。
己の愚かしさを反省する事だ。
 
 
付き合い始めた途端に「彼氏なんだから、もっと〜〜してよ」とか、
ありもしない恋人としての権利を主張し始める、非常にみっともないヤツがいるが、
つい先日まで他人だった人間に、いきなりフルスロットルで甘えられてもねぇ。
 
それを受け止める許容量が相手にあれば、それでも上手く行くよ。
お互いが同じモチベーションだったらね。
 
でも、相手がこちらを受け止めるために、どのぐらいのコップを用意しているかが重要だ。
相手が用意してるコップから溢れるくらいに愛情を注いでも溢れてしまうだけだ。
 
おまえの心情を理解して、先回りして、キチンと面倒を見てくれる男が相手なら、
それでも何ら問題はない。
むしろ、そういう愛情をたっぷり注いでくれる子を求める男も多い。
 
ただし、そこまで相手の愛情が大きくなっていないうちに全力で愛情を注がれれば、
相手はそれを重圧と感じ、疲れてしまう。
 
ちょっとずつ水を汲もうと思ってる人に、滝のように水を浴びせかけたら、
相手はびしょ濡れになり、疲れてウンザリしてしまう。
 
コップで水を汲もうとしている人には、そのコップに入るくらいの水をやらねば。
浴槽を満タンにするほどの水を浴びせかけるのは、ちょっとした暴力行為だ。
 
そういうバランスを考えて、少しずつお互いの許容量を増やすのが、
マトモな歩み寄りのあるお付き合いってもんだ。
コップからバケツに、バケツからシンクに、シンクから浴槽に。
 
 
自分の中で理想の付き合い方を思い描くのは自由だ。
ただ、いきなりその理想を押し付けられても、相手はその準備が出来てない。
 
自分勝手に突っ走るのはやめて、相手の許容量をよく見て、
少しずつお互いの理想の近付けるように努力して欲しい。
 
 
いきなり大量の水を浴びせかけられそうになったら、
俺はきっと底の抜けたバケツを用意して見せるだろう。笑
 
そして、俺の水鉄砲を(以下自主規制
 
 
2009/10/16


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