その後、途中の高速道路のサービスエリアに寄った。
トイレ休憩と軽めの朝食、運転手交代等のためだった。
白浜に行ったことの無い俺は「あと、どれくらいで着くんスか?」とか話していた。
「今、やっと3分の1くらいじゃねえか?」とオーナーが爽やかな顔で答えてくれた。
続けてオーナーはこう言った。
「それより有也、向こうでバーベキューやるんだよ。」
「あ、そうなんすか?面白そう。楽しみっスね。」
「ビールの樽ごと買って来たからよぉ。向こうで生ビール飲めるぜ。」
「まじっスか?すげぇ!っていうか機械はあるんですか?向こうでレンタルするんですか?」
「いや、冷やして注ぐ機械ごと貸してくれるトコがあるんだよ。そこで借りてきたんだ。」
「へぇー!そんな事が出来るんだー。すげぇなぁ最近の酒屋は。」
俺とオーナーがそんな話をしていると、専務達の声が聞こえてきた。
「あ!やべぇ!忘れてきた!」
なにやら騒いでいる。
専務の友人のタケさんが何やら忘れ物をしたらしい。
専務がこちらに駆け寄り、笑いながらこう言った。
「兄貴、先っぽのノズルがありません。忘れてきました。」
「ノズル?何だそれ?」
「ビールを注ぐ機械の先っぽのヤツです。」
「それじゃあビール飲めないのか。」
「タケに任したんですよ。そしたらアイツ、忘れてきよって。」
タケさんは気まずそうな顔をしてこちらを見ている。
「有也、ビール飲めなくなっちゃったんだって。残念だなぁ。」
オーナーが爆笑しながら俺に言う。
専務は「いや、俺じゃないですよ!タケが。」と必死に責任逃れをしている。
俺は笑いながら、「そっかー。生、飲めないのかぁ。」とタケさんをチラリと見ながら言った。
タケさんは「そんなにいじめないでくれよぅ。」と言ってみんな笑った。
次回に続く→
2003/08/01
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