俺のたわごと

ま、たわいのないことばっか書いてますけど暇なら見てね。
日々の考え事、昔の事などが書いてあります。

 144   伊豆の白浜での思い出。4
 
さて、120cmビーチボールを持って俺は砂浜まで来た。
「浮かれた夏に乾杯」な気分だった。
それぐらい浮かれてた。
 
「行くぞぉ!それっ!」俺が打った球は風に激しく流され、
店次長のKくんへ目がけて打ったが大分逸れた。
そしてKくんはそれを海の方へ返した。
 
そしてみんなで波打ち際に取りに走った。
ここまでは良かった。ここまでは良かったんだ。
 
風は陸から海に向かって吹いていた。
それが命取りとなった。
 
ビーチボールのサイズは直径120センチ。
当然、風の影響も通常の数倍受けるわけで・・・。
 
ヤツは速かった。
俺も水泳を10年やってた人間だ。
普通の人よりは全然泳げる。
だが風に乗ったヤツは想像以上に速かった。
一度や二度追いついても水に濡れたヤツの体は恐ろしいほど滑り、まるで掴めない。
 
マジでやばい。
 
俺はこのまま追いかけても無駄なんじゃないかと思った。
 
するとボールのちょっと沖にはサーファーの兄ちゃんがいた。
俺はそのサーファーに「そのボール取って下さい!」と叫んだ。
 
サーファーの兄ちゃんはボールに触れる事が出来た。
しかし、ヤツはツルツル滑る。
サーファーの兄ちゃんは掴む事が出来なかった。
 
「あぁ・・・。」俺はもうダメだ、と悟った。
いや、実は少し前から悟ってたんだけど。(笑)
 
そしてサーファーの「もうああなっちゃったらダメだ。帰ってこないね。」という声に、
俺は力なくこう答えた。
「寂しいけどしょうがないっすよ・・・。へへへ・・・。」
 
そして振り返って砂浜を見ると、みんなが笑い転げていた。
特にオーナーが。(笑)
 
みんな腹がよじれるくらい笑ってた。
専務は「有也、あそこにまだ見えるぞ!ほら、点みたいになっとる!」と言って笑った。
 
俺はイジけた顔をしながら「楽しんでいただけましたか?」と言った。
ちょっぴり涙が出た。(笑)
 
そしてこう言った。
「ワーン!まだ5分も遊んでないのにー!K君がふざけて海に放るからだぞー!」
するとK君は、
「ゴメンよ有也。アイスおごってやるから。あ、ホラ。フランクフルトも売ってるぞ。」
と、エサでごまかそうとしていた。
「そんなんでごまかそうとしても無駄だぞ。あ、小さくなった。でもまだ見える。ワーン。」
俺がしょぼくれているとオーナーがこう言った。
「有也、遊んでた時間よりも膨らましてた時間の方が長かったな。」
 
それを聞いて俺も笑った。
「オーナー、かわいそうな俺にビールをおごって下さい。」
 
初日の昼間はこんな感じだった。
 
次回に続く。→
 
 
2003/08/01


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