「もしもし、有也ですけどー。」
「お、どしたのー?」
「そろそろ構ってよ〜ユキちゃ〜ん。」
「暇があったらね。」
「こんなに好きだって言ってんじゃーん。そろそろ構ってあげなよ。」
「自分で言うな!」
「あーそーぼ♪」
「また今度ね。」
「こんなに好きやのにー!」
「信用出来ませーん。」
「え?何で?」
「だって誰かさんは色んな女の子に手が早いんだもーん。」
「んな事ないって。」
「んな事ありますー。」
「いや、そりゃちょっと前はちょっとぐらいあったかもしれないけどさぁ。」
「あ、やっぱりあったんだ。」
「いや、そういうんじゃなくて・・・。」
「遊び人ー!キャーこわーい!」
「いや、それは違うんだって!」
「触らないで!妊娠しちゃう!」
「受精さしたろかコラ。」
「あ、本性が出た。やりたいだけなんだろー。」
「違います。」
「ウソっぽーい。」
「ホントだって。ユキちゃんだけだってば。」
「知りません。」
「いや、オマエだけやで。」
「みんなに言ってるんでしょ。」
「違うってばぁ〜もぅ〜。」
「じゃあこないだの子はなんだったの?」
「あの子は・・・本気じゃなかったから・・・。」
「あ、ヒドッ!女の敵ー!」
「あんなの当てつけだって!分かってただろ?」
「知りませんー。」
「だから今はこうして別れて堂々と口説いてるわけで。」
「節操が無いですねぇ。」
「ハイ・・・。スイマセン・・・。」
「いや、謝られても。」
「あの・・・。」
「ナーニ?」
「遊んでください・・・。」
「そのうちね。」
「ワーイ!」
「喜ぶのは早い!調子に乗るな!」
「ワーン。」
「泣くな!」
「じゃあまた電話するわ。」
「出ないかもよ。」
「出るまで掛けるよ。」
「アハハ。好きにして。」
「あ、好きにしていいんですか?」
「そういう意味じゃない!」
「なーんだ。」
「全くもう・・・。」
「あ、なんか今の『全くもう・・・。』ってすごい愛情がこもった感じ。」
「こめてないから!」
「またまたー。」
「そうやっておチャラけないで。」
「はい。」
「わかれば良し。」
「ボク、イイ子や。」
「ハイハイ。イイ子イイ子。」
「じゃあ遊んでくれるんでしょ?」
「何でそうなるのー。」
「あ、イヤならいいや。無理に誘わないよ。」
「イヤじゃないけど・・・。」
「イヤじゃないけど?」
「今はイヤー!」
「なんじゃそりゃ。」
「いいの!じゃあね!」
「ハイ。またね。」
「バーカ。」
「え?」
ツーツーツー・・・
「ま、いっか。そのうちチャンスが来るだろ。
しかし、最後の『バーカ』ってのはまた愛情こもってていいかも。」
−A.D.1995−
勢いだけで落とそうとしてたあの頃。
2004/05/19
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