前々から気になっていた事がある。
その事を考え始めたのは5年ぐらい前からだろうか。
喫煙者の子供にはアトピーや花粉症などのアレルギー性疾患やぜんそく患者が多い。
というより、俺の知人でアトピーや花粉症やぜんそくを持つ人間の親に喫煙者が多いのだ。
気になりだしてからは、その割合の多さに驚いた。
俺が聞いた中では9割以上の人がそれに該当するのだ。
タバコに比べりゃハウスダストなんて全然甘っちょろいレベルだろう。
同じ微粒子という扱いで考えると、タバコの煙という微粒子は恐ろしい数だ。
生まれる直前まで父か母がタバコを吸っていたという親からも、
かなりの割合でこういった子供が生まれているように思う。
俺は専門家ではないので勝手な想像に過ぎないのだが、
人間にはあらゆる有害物質に対するキャパシティがあって、
有害物質が生まれる前から体内に取り込まれてしまっている人は、
その症状が出るのが早まってしまうのではないだろうか。
そのキャパシティについて考え始めたのは、
花粉症についての特集をTVで見た時からだった。
『花粉症というのは誰もがなり得るもので、人によってキャパシティが異なり、
その人のキャパシティを越えたところで初めて症状として現れるのです。』
これを聞いた時に、俺はこう考えた。
親がタバコを吸っている場合、そのキャパシティは限界に近付くのではないだろうか。
だとすれば、喫煙者の親を持つ子供にそういった症状が多い事に合点がいく。
そして、2005年10月4日からタバコを吸わなくなった。
あれから丸1年が過ぎようとしている。
いまだに喫煙者の友人は「スゲェじゃん。」とか「よくやめれたね。」なんて言うが、
俺は前々からタバコを辞めるのなんざ簡単だと思っていた。
俺にとっては自分で一度でも決めた事を正当な理由も無しに曲げる方がよっぽど辛いのだ。
「もうタバコは吸わない。」と口にしてしまったら、一生タバコを吸うわけにはいかないのだ。
それを破れば自分で自分を裏切る事になるからだ。
自分を裏切れば、自分を信用できなくなる。
自分を信用できなくなれば、自分を好きじゃなくなる。
自分を好きじゃなくなれば、鬱になる。
鬱になれば、自殺願望が芽生える。
つまり、自分の決めた事を曲げりゃ自殺率が上がるんだ。
こう考えるのは極端だと思われるかもしれないが、俺にとっては大マジメだ。
自殺は俺にとって最大の禁忌。
だからこそ、自分を裏切らない。
吐いたツバは飲まない。
正当な理由も無しに自分で決めた禁煙を破る人間も多い。
そういう人間は自分への信用度を確実に落としていってると思う。
かといって俺は他人のそれをとがめる気は無い。
それは他人が口を挟んではいけない事だと思うのだ。
相手の中で『他人の助けが無いと自分の決め事を守れなかった』という事になるからだ。
それは相手にとって良くないので、俺はしない事にしている。
俺がタバコを辞めた理由は大事な人間を苦しめたくなかったからだ。
自分の恋人とまだ見ぬ我が子を自分の手で苦しめたくなかったからだ。
それだけだ。
大事な人がいなくて、自分が肺ガンで死んでも構わないという人には謝っておく。
貴重な人生の時間をこんなくだらねぇ読み物に使わせて悪かった。
2006/10/03
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