俺のたわごと

ま、たわいのないことばっか書いてますけど暇なら見てね。
日々の考え事、昔の事などが書いてあります。

 553   時間差チョコ。
 
時期を逃したバレンタインチョコってなんだか本気っぽくていい。
 
もう時期が過ぎちゃったんだけど、どうしてもこの人には絶対に渡したかったみたいな、
そんな本気が入ってそうで、なんだか甘くほろ苦い。
 
そういう『渡さずにいられなかったチョコ』っていいよね。
『本気だからこそ、その日には渡せなかった』みたいなね。
 
イベント効果に乗っかるような、その場のノリも混ざった軽い気持ちじゃなくて、
そんな軽々しい気持ちであげられないから時期を逃しちゃった、みたいな。
 
そんなシーンを見たい。
俺自身が体験すると「あ、どもー。」くらいになっちゃって味気ないから、
それをドギマギしながら受け取る、坊主頭の少年(野球部とか)が見たい。
 
顔を真っ赤にしてやりとりをする中学生男女を見たい。
出来れば、生中継で見たい。
 
あ、わかった。
中学の下駄箱のところにWEBカメラを設置して見ていたい。
非常階段とか校舎の陰とかにも設置しておきたい。
 
そして、それを生暖かい目で見守りたい。
「青春だねぇ…。」って目を細めつつ見守りたい。
そんなカンジ。
 
でも、実際はそんなイベントに流されてキャッキャしながら渡す女って、
俺はあまり好きになれないんだよな。
ぶっちゃけて言うと鬱陶しい。
イベント効果に流されて浮き足立ったミーハー女に付き合いたくない。
 
渡す時のセリフってのも大事な気がする。
どんなスタンスなのかにもよるわな。
 
いくつか想像してみよう。
 
「迷惑かもしれないんですけど…。」
「そう思うなら渡すな。」
 
あぁ、ヒドイ。
でも、俺だったら、こんな風に言っちゃいそう。
卑屈な人間は嫌いだ。
 
そもそも、チョコをあげるなんざ押しつけなんだから、わざわざ言う事じゃねぇんだよ。
自分勝手に呼び出して渡そうってんだから、「どうぞ。」でいいだろうが。
まったく、わかっとらん。
 
「あの、良かったらコレ…。食べてください。」
「うん。ありがとう。」
 
あ、上手く行った。
こういうストレートなのはいいよね。
 
「これもらってー。」
「おー、サンキュー。」
 
あ、これも上手く行った。
やっぱりフランクに来て欲しいかもしれない。
 
「あのさ、好きな人いる?」
「うん、いるよ。」
「そっか…。誰?」
「誰でもいいだろ。」
「そうだよね…。ごめんね、じゃあね。」
「あぁ。」
 
あぁ、ダメだった。
かわいそう。ヒドイね。
 
でも、こっちの気持ちを伺ってからじゃないと捨て身にならないってのもなんだかね。
俺はそういう保身に走る女がたまらなく嫌い。
 
「チョコ好きー?」
「いや、別に。」
「そっか…。」
「うん。」
「じゃあね…。」
「はーい。」
 
ヒドイ。
チョコをあげたいってわかってるくせに。
 
でも、なんか人の顔色を伺う女って嫌い。
俺の反応は素直。イジワルだけど素直。
だから悪くない。
 
「前から好きでした!」
「あ、そうなんだ。」
「あのチョコ…どうぞ!」
「あ、いただきまーす。」
「そ、それじゃ!」
「うぃーっす。」
 
これはスムーズに受け取ったけど、気持ちに応えるとは言ってない。
気持ちとチョコはちょうだいします、という話だ。
 
この後に「あの…返事を聞かせてください!」と来られたら、
俺は「え?なんの返事?」って答えると思う。
だって、付き合ってくれとは言われてないもの。
 
待てよ…。
さっきからどうでもいい女からしかもらってないな。
 
好きな子から貰うパターンだったらどうだろう。
 
「あ、あの…これ…。」
「えっ…あ、ありがとう。」
「義理だよ!バーカ!」
「こいつぅー!」
 
あれ、なんで笑いを取ろうとしてんだろ。
おかしいな。
 
「あの…これ作ったの。」
「マジで?食べていい?」
「えっ、今?」
「うん、今。」
「でも、あんまり上手く作れなかったからっ…。」
「そんなの関係ねぇよ。」
「えっ…?」
「おまえからのチョコなんだから。」
「有也くん…。」
「うっ…グフッ!こ、これはっ…毒…か?」
「フハハハハ!かかったな小僧!」
「き、貴様ぁ〜!!」
 
ダメだ、おかしい。
もう一度。
 
「はい。」
「えっ?」
「はい!いらないの?」
「あぁ、ありがとう…。」
「別に食べなくてもいいから。」
「いや、食うよ。」
「今、食べないで。家に帰ってからにしてよ。」
「えー、溶けちゃうかもしれないし。」
「溶けないよ。」
「あ、美味い。ありがとう。」
「苦いの作ってやろうと思ったんだけどね。」
「甘くて美味しいよ。」
「良かったね。じゃあ私、帰る。」
「送ってくー。」
「別にいいってば。」
「送らせてー。」
「…しょうがないなぁ。」
 
あれ?完全に俺が相手を立ててやっている。
そして、このパターンは実際に過去にあったような気がする。
 
依存したくない、駆け引きに負けたくない、そんな女はたまにこういう風になるよね。
意地っ張りのくせに泣き虫とかね。ホントに面倒なの。笑
 
でも、そういう女の方がわかりやすくてラクチン。
なぜならストレートに真逆だから。
 
ツンデレのフリをしてるんだけど、基本的にデレの逆をやればいいと思ってる。
だから、反応がいちいちシンプルでウケる。笑
 
 
あぁ、なんだか俺は意地が悪いなぁ。
良くないよね、こういうの。
 
でも、そんな自分が好きだ。
なぜなら、イジワルの裏にはちゃんと愛情があるんだもの。
 
 
俺はバカ女もメスブタも好きなんだよね、結局は。
不器用な生き方をしている人をどこか憎めなくて、なんかいじらしくて。
 
だから、わざわざアレコレ言いたくなるんだよね。
優しくイジメながら、手を貸して立たせて、ケツを蹴って先に進ませる。
 
あぁ、俺はなんと慈愛の溢れる人間であろうか。
死んだら神様になるね、こりゃ。
 
うん、それは言い過ぎた。
 
 
2009/12/04


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