夢の話


管理人・有也の見た夢のコラム。
夢は潜在意識の表れだというが・・・変な夢ばっか。

 13   強過ぎる化け物。
 
最初は西遊記っぽい話だったんだけどなあ。
仲間と一緒に天竺を目指していて俺は説法をしてた。
「汝、欲望に飲まるるなかれ。」みたいな感じで。
 
でも場面がいきなり変わって豪華な屋敷になったんだ。
仲間は一人に減っていた。
その仲間は「ここが俺の実家だ。」と言った。
 
彼はここの主人、つまり父親に会うつもりらしい。
「親父を説得して金を援助してもらうよ。
 その金で俺は上手い事儲けて暮らすんだ。
 自分が如何にして楽に安泰に暮らすか。
 それだけしか俺は考えてこなかった。
 今までも、そしてこれからもそうだ。」
 
「ろくでもねえ信念を持ってやがる。」
俺は彼のセリフを聞いてそう思った。
 
しばらくすると執事が来た。
「おぼっちゃま。懐かしゅうございます。
 まもなく旦那様がお見えになります。」
 
彼の父親が来た。
彼は息子の話を聞くなりため息をついた。
「お前にやる金など無い。 
 オマエとはもう縁を切ったんだ。
 もうこの家には戻ってくるな。」
そう言うと彼の父は立ち去っていった。
 
「くそぉ。親父の奴俺を認めてくれねえ・・・。」
彼はそうボヤいた。
 
「そりゃあそうだろうな・・・。」
俺は心の中で思った。
 
その直後だった。
とてつもない物音とともに彼の父の叫び声が聞こえてきた。
いわゆる死を感じた恐怖の叫びと言おうか。
「うわぁぁぁああ!!」
 
「何事だ!」とっさに俺達は身構えた。
 
一瞬で壁もろともドアが吹っ飛び、
得体の知れない化け物が飛び込んできた。
 
ケルベロスみたいな青くバカでかい犬は俺達を狙っている。
 
次の瞬間ケルベロスは目に映らないほどの速さで「移動」した。
恐ろしいほどの速さの「移動」は肉体の脆い人間にとってはそのまま「攻撃」になった。
一瞬で仲間と執事が砕け散った。
 
俺は一応、法力が使える設定だった。(いつのまにか)
最初は法力を持つ三蔵だったからね。
使えるのは頭でわかっていた。
しかしこんな化け物に効く訳が無い。
 
自分の能力を疑ってしまうと能力はゼロになる。
お約束の「夢ルール」の適用だ。
 
俺は逃げた。
追いつかれるだろう。
殺されるだろう。
そう思った。
 
「でも平気なんじゃないか?」
とも思ってしまった。
何故か?それは俺の哲学なのだが、
「俺に見えている世界」は「俺だけの世界」なのであり、
「俺が死ぬ」という事は「世界が滅ぶ」という事なのだ。
わかりやすく言うと俺に見られている事で
奴もまたこの世に存在する事が出来るという事だ。
 
俺にとっては、
俺の世界が滅ぶ=何者も存在しなくなる
なのである。
つまり俺が「死ぬ=奴も死ぬ」である。
 
一瞬でもそう思うと不思議と怖くはなくなった。
 
その瞬間、夢も覚めた。
 
強かったなあ。アイツ。
今度は倒すぜ。
 
 
追記
夢の中での「俺が死ねば世界が死ぬ」という哲学は
現実世界でも思っている事だ。
 
しかしどこかでそうではないんだろうとも思っている。
だから俺はこの世界に子供を残したい。
俺が死に滅びても俺のDNAは生き残る。
俺のDNAが世界を見届けていく。
だから俺の血は絶やしたくない。
 
できれば不老不死にもなりたい。
人より長い寿命も欲しい。
それができないのならせめてこの世界に俺が生きた証を残そう。
 
それが俺にとっての子孫という存在である。
将来、俺の子孫が同じ事を考えてくれればいいなあ。
 
俺はここに生きたぜ。
いつでもその事を覚えておいてくれ。
俺の分身よ。
 
そう子孫に言い残したい。
 
 
2002/12/28



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