元カノ、エミの子供(男の子)が8歳になっていた。
「ボクは絶対に負けない!」などと熱血漢みたいなセリフを吐く、
ちょっと暑苦しいタイプの天然パーマの男の子だった。
『この子、赤ん坊の時に見たきりだけど、こんなに天パだっけ?』
そんな事を考えながらその熱血ボーイをポカーンと見ていると、
後ろからエミのおばさんが微笑みながらベビーカーを押して現れた。
「有くんじゃーん。元気〜?」
「あ、どもども。お久しぶりです。」
ベビーカーに乗ってる子は会った事が無い。
聞けばエミの二番目の子だと言う。
『再婚したのか。知らなかったな。』
前に言ってた彼と再婚したんだろうか。
おばさんの横にはエミの妹の元彼、ヨシも一緒に居た。
ヨシもニコニコしながら俺を見ている。
『おや、ヨシは別れてから完全に縁が切れたと思ったけど繋がってたか。』
そう思うと少し嬉しかった。
昔、エミとエミの妹とヨシと4人で毎日のように遊んでいた時期があった。
その頃が人生で最もグダグダ遊んでいた時期だと思う。
それを思い出して、少し昔に戻りたくなった。
「あれ?エミは?」
そう言うとエミがおばさんの後ろから現れた。
「久しぶりー。」
なんだかエミはやたらと老け込んでいる。
「今は仕事やってるのか?」
「イマハフィリピンパブヨ。」
なんか話し方がカタコトになっている。
「なんでフィリピンパブで働いてんだ?」
「ソコぐらいしかもう雇ってくれないヨ。」
人は2年も会わないだけでこうも変わるもんだろうか。
どうもおかしい。
ふざけてる時の喋り方じゃない。
完全にフィリピーナのアクセントになっている。
『ひょっとしてコレは夢なんじゃ…』と思い始めたら目が覚めた。
2006/04/24
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