コソ泥日記
俺の職業はコソ泥。
コソコソと泥棒を働くケチな野郎だ。



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14  その14
俺は鍵を手にしたものの、すぐにはドア開けず、周囲を見渡した。
 
人の気配は無い。
他の部屋からの物音もしない。
 
よし、行くか。
 
 
俺は鍵をあてがい、ゆっくりと回した。
鍵穴からカチャッと小気味よい音が響いた。
 
ドアを開けると、中から湿った空気が流れてきた。
この部屋はしばらく使われていないんだろうか。
 
俺は土足で中に入って行った。
 
入ってすぐ両脇にキッチンとユニットバス、ドアを開けると部屋が一室。
90年代に流行ったワンルームマンションの典型だ。
 
『そうだ、押し入れのスイッチを探そう。』
俺は押し入れのふすまを開けた。
 
押し入れは二段になっていて、上の段は巨大な木箱で覆われていた。
下の段には赤い大きめのスイッチが一つあった。
 
俺は下の段に潜ってそのスイッチを押した。
 
プシュッ
「イタっ!」
 
何かの発射音と共に背中に痛みが走った。
何かが背中に刺さったようなカンジがした。
 
俺は自分の背に手を回した。
10センチ程の針が背中に刺さっていた。
 
「イテェ…なんなんだ…こりゃあ…。」
 
刺さっていた金属製の大きな針を背中から抜いて、
俺はそれがなんなのかを考えていた。
 
針の先には穴が空いていた。
その直後、急激な眠さに襲われた。
 
睡眠薬か…?
 
更新日:2006/07/17




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