?月?日
起きたら目の前にパンとチーズが落ちていた。
部屋は20畳くらいの広さだった。
ツルツルの床は継ぎ目も無く、ただ真っ白だった。
照明は天井全体に白色光のパネルがはめ込まれていた。
壁にはドアが無かった。
どうやら閉じ込められたらしい。
ここはどこなんだ。
誰が閉じ込めたんだ。
これからどうなるんだ。
俺はまず壁を調べた。
ドアが無いわけがない。
ドアから入れられ、ドアを塞がれたのだとすれば、
その場所の壁は薄くなっているに違いない。
そこを蹴破ってやればいい。
俺は壁伝いに歩き、壁に耳を押し当ててはトントンと小突く動作を繰り返した。
しかし、周りの壁はどこも薄い箇所がなかった。
どうなってるんだ、ここは。
まるで落とし穴のような…。
…まさか。
落とされたにしてはどこも痛くはない。
それにパンとチーズはどこから来たというのだ。
俺の顔の前に偶然落とせた、というのも考えがたい。
やはり誰かが置きにきたのだろう。
パンとチーズを手に取り、まじまじと見つめた。
毒でも入っているのだろうか?
『毒は入っていない。安心しなさい。』
突然、どこからか声が聞こえてきた。
更新日:2006/07/17
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