Love at once


 100   違うんだ!
 
私はしばらく呆然としてその場に立ち尽くしていた。
 
「ゴメン。力になれなくて…。ゴメン…。」
ダイちゃんは私に頭を下げた。
 
 
私はその言葉を受け入れられなかった。
頭の中がグチャグチャなまま、何も言わずに呆然と繁華街を歩いていった。
 
 
「ちょっと待って!」
繁華街の入り口辺りまで来た時、後ろからダイちゃんが追いかけてきた。
 
「何…?京也さんには彼女が出来たんでしょ。
 もうわかったから…。もう生きててもしょうがない…。」
私は力無くそう答えた。
 
 
そしてさらに10mほど歩いて行った時、ダイちゃんが後ろから叫んだ。
「ホントは違うんだ!アイツは…。」
 
「え?」
私は振り返ってダイちゃんを見た。
 
 
「とりあえず、俺のアニキの店で飲もう。そこで話すよ。」
ダイちゃんはそう言って裏通りの方に私を連れて行った。
 
 
更新:2005/04/26


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