Love at once


 11   メカラウロコ
 
ミッコが「アタシ、おっきいタルがザバーってなるトコ行きたい!」と言って駆け出した。
「あ!ズルイ!アタシも〜!」
みんなもミッコの後を追って走り出した。
 
眉無しオバケの集団がはしゃぎながら走って行くのを周りの人達はジロジロと見ていた。
私は少し恥ずかしくなり、走りながらミッコにこう言った。
「みんな眉無しオバケだと思って見てるよ」
 
ミッコは笑顔でこう言った。
「二度と会う事は無いでしょ!旅の恥はかき捨てなんだって!ママが言ってたよ!」
 
それもそうか。
知り合いが居るわけでも無いし、今は楽しむ時なんだからそれでいいんだ。
 
当時の私には目からウロコだった。
ミッコの生き方がカッコ良く思えた。
小さい事を気にし過ぎてたら楽しめなくなっちゃうんだ。
 
 
更新:2004/08/19


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