私の心臓はすごくドキドキしてて、
その音が京也さんに伝わっちゃうんじゃないかってくらいドキドキしてて、
もう頭の中は真っ白で何も考えられなくなってた。
京也さんの腕に抱かれてる。
それだけで全身がドキドキしてた。
「…自分の事をそんな風に言うな。」
京也さんがつぶやくように言った。
「オマエは自分の事を嫌いかもしれないけど、
俺はオマエの事好きだよ。だからそんな風に言うな。」
私のオーデグッチの匂いを着けた京也さんが呟いた。
「ダメだよ。京也さん。誰にでもそんな事言ったら。勘違いする子もいっぱいいるんだよ。」
声の震えを止めるのに必死な私はやっぱり素直になれなかった。
「…そうだな。俺みたいなヤツと関わったら不幸になる。」
京也さんは私の肩を持って自分の体からゆっくり離した。
「…じゃあね。」
私は精一杯の作り笑顔でその場を立ち去った。
更新:2005/01/13
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