Love at once


 91   会って来たんだ
 
駅の階段まで来て私は座り込んでしまった。
近くに立ってたオバサンが「大丈夫?」と声を掛けてくれた。
私はそれでもひたすら泣いているしかなかった。
 
10分ほど経っただろうか。
私は少し泣き止んでミッコの事が心配になった。
 
私はミッコに電話を掛けた。
「もしもし?」
『アンタどこまで行ったのよ。』
 
「私は今、駅の階段のトコ。ゴメンね。」
『そっか。じゃあ行くから待ってなね。』
 
 
しばらくすると、ミッコが走ってくるのが見えた。
私はミッコの方にゆっくり歩いて向かった。
 
「もう〜。置いてかないでよ。あ〜疲れた。」
ミッコはそう言って私の腕をポンと叩いた。
 
「ゴメンね。」
私はうつむいてミッコに謝った。
 
「いいよ。それよりあの後、私は店に入って京也さんに会ってきたんだ。」
 
「えっ!」
ミッコの言葉に私は驚いた。
 
 
更新:2005/04/07


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