季節の一言。


色んな言葉に感じてくれれば光栄です。


976    やまいだれ
 
君と居ると、二人ぼっちになる。
 
春風に抱かれ、手を繋いでいても、心晴れやかでも、
世界には君と俺しか残っていないような気分にさせられる。
 
不安は、常に刃物を背中に当てられているように背後に迫り、
孤独は、そこら中に当たり前のように転がっている。
 
 
誰かに話しかけられても、その人は“自分たち以外の何か”として過ぎ去る。
なぜだかわからないけれど、“入ってくるな”という空気も出してしまう。
 
世界には君しかいないから、俺は君を求める。
そうしているうちに、君の中の孤独が俺の中にも入ってくる。
 
傷だらけになって、カサブタだらけになって、
「もうキライになったでしょう?」と君が言う。
 
そんなことない。
 
「そんなことはないよ。」と口にも出す。
 
その病気は君のせいではないから。
君だけが傷付くことはないから。
 
君に対する哀れみと、君に対する慈しみで、君を包んでいてあげないと、
君が形を失くしてしまいそうな、そんな気がして、何度も何度も包む。
念入りに包む。
 
「あなたは優しいからそうするんでしょう?」
“私のことが好きだからではないんでしょう?”に続く言葉を君が吐く。
 
君しかいないから。
 
「俺には君しかいないから。」と口にも出す。
 
 
俺は君に取り憑かれてるんだろう。
それは自分でもわかってる。
 
だけど、このまま死んでも構わない。
どこかでそう望んでもいる。
 
君と共に死にたい。
俺の言葉が嘘ではないということの証明をしたい。
 
更新日時:
H23年4月8日(金)


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