恋愛マニュアルプロローグ

プロローグでは恋愛に関するコラムで
男女別マニュアルに該当しないもの、
または男女両方見て欲しいものを
そこはかとなく載っけております。

 82   逃げ癖を作るな。
 
掲示板から抜粋加筆。
 
 
同じ学校で好きな人が出来ました。
 
彼は違うクラスで部活も違います。
選択している授業が一つ同じというだけです。
 
メールをして距離を縮めたいと思っているんです。
友達伝いに聞こうと思いましたが、私だと知って幻滅されたら嫌です。
 
頑張って聞こうと思っても勇気が出ません。
聞かれるところを周りの人に見られたら馬鹿にされるかもしれない…。
と、またマイナスに考えてしまします。
 
靴箱に手紙を…とも考えました。
でも落としちゃったら…となると無理っぽくなりました。
どうしたらいいでしょうか?
 
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フツーに話しかければいい。
勇気はいくら出しても死なない。
 
友達を介して間接的に聞こうとしたり、手紙を出したりするのは、
結局、勇気を出して話しかけるのが怖いからだろう。
それは逃げにしかなってない。
逃げてしまえば、成長はしない。
 
周りの目を気にしたところで、
周りの人間はおまえの人生に責任を取ってくれるわけじゃない。
変に気にしたところで1ミリも得は無い。
 
初対面でいきなりメアドを聞こうとするのも不自然だろ。
おまえは順序を間違えてる。
メアドを聞きたいのはそもそも何のためだった?
距離を縮めたいからだろう。
だったら、話しかけて仲良くなるのが一番良いに決まってるじゃないか。
 
結局、おまえは自分に自信が無いんだろう。
だから、問題を遠回しにしようとする。
自信を持てない事に問題があるんだ。
 
だから、自分に自信を持つために努力をなさい。
・1日に5回、自分を褒める癖を付ける(精神的な努力をする)
・くびれが無いなら腹筋をしてくびれを作る、太っているなら痩せるために走る
・可愛くないのなら、化粧を工夫するなどして、可愛くなる
 
努力をするならば、具体的にしろ。
「頑張る」とか言ってるだけじゃ、事態は変わらん。
 
それを繰り返すうちに自分を好きになる事が出来る。
自分が好きになれば、自信を持つ事も出来る。
自信を持てれば、彼に話しかける事も出来る。
 
話題にする事なんて、なんでもいい。
一度でも話しかける事が出来れば、“他人”から“知人”になるんだ。
 
共通の友人がいるのなら、「AくんってB中学だったんだよね?」ってトコから話し始めて、
「C子と一緒でしょ?」ってところで共通の友人を出す。
「他にあの中学って誰がいるの?」とか繋げるのもいい。
「あれ?Aくんって○○部(彼の部活)だったっけ?」などと話題を変えてもいい。
 
俺だったら、そのようにして徐々に話題を広げたり繋げたりして行く。
そして、「○○部って夏に合宿とかするの?」と今後の話題に持って行くのも良い。
そうすれば、次回にその話題を振ったりもできる。
 
音楽の話、ゲームの話、なんでもいいんだよ。
おまえも友人と他愛無い話をするだろう。
それとなんら変わらねぇよ。
 
知人→友人→気になる人→好きな人→恋人
こういう風に、相手の中での位置付けが徐々にステップアップできるよう努力をしろ。
 
いきなり下駄箱に手紙なんて、間をスッ飛ばし過ぎだろ。
そんなの恋に恋したバカ中学生しかやらねぇぞ。
 
自分の欲求をぶつけたいだけじゃなく、人として関わりたいとかそういう方向に行けよ。
高校生以上なら、もっとマトモなルートで行け。
 
 
逃げ癖を付けるな。
逃げ癖を付ければ、自分を見損なう事になる。
出来ない言い訳ばかり探すな。
 
そういう悪癖が自分の価値を下げ、自分を嫌いになる原因になる。
そして、それが自信の低下に繋がり、幸福度の低下に繋がる。
 
悩んだら、出来るだけシンプルに考えろ。
間をすっ飛ばして考えるな。
 
付き合いたいのであれば、いきなり付き合うにはどうすればいいかを考えるのではなく、
仲良くなるにはどうすればいいかを考えるのが先決だ。
 
本気なら、なおさら慎重に行け。
告って玉砕しても「思い出作り」とかアホな事を言ってりゃ成長はねぇ。
そんなフワフワした恋をするヤツには何の価値もねぇ。
そもそも、そんなものは恋ですらない。
 
まず、ゴールがどこにあるのかを考えろ。
そして、最初にどうするべきかという部分から考えろ。
 
“付き合う事”をゴールにするな。
付き合っても維持できずに、すぐ別れちまったら意味がねぇんだ。
“愛され続ける事”をゴールにしろ。
それは小手先のアレコレでごまかせるものじゃねぇんだ。
 
ずっと先まで一緒にいるのなら、いずれは全部バレるんだ。
だから、バレても恥ずかしくないような自分にしとけ。
 
 
そのためには目先の欲求よりも何よりも自分と上手く付き合う事だ。
自分の存在を肯定できるようにしておく事だ。
自分の存在を肯定できる力の大きさが、人生の幸福度を底上げするんだ。
 
その辺が自分で出来ないからといって、他者にそれを求めても供給は安定しない。
誰かに愛される事でしか自分を安定させられないヤツはいつか崩壊する。
 
他者はいつまでも肯定してくれるとは限らないからだ。
他者はいつまでも一緒にいてくれるとは限らないからだ。
自分の存在を肯定する力の供給が安定しなければ、自分の精神も安定しない。
 
自分とはずっと付き合って行くんだ。
だから、自分に存在を肯定されていれば、強く生きられるんだ。
 
悩みの片鱗を分析するだけで、己の人間性に気付く事が出来る。
「なぜ自分はそう考えているのか」「なぜ自分はそう感じているのか」
その原因を探れば、自分の精神状態をコントロールする事も容易になる。
 
自分が安定すれば、自分に自信を持つ事が出来るし、
自信を持てれば、落ち着いて思考・行動する事もできるし、
落ち着いて思考・行動すれば、失敗をする事も減るし、失敗を恐れる事も減る。
 
 
例え話をしよう。
 
おまえはハラペコだ。
山間部にある河原をずっと歩いて食べ物を探してきた。
ふと見上げると、断崖絶壁の上にリンゴの木が見える。
 
おまえはリンゴが食べたいと願う。
リンゴを取るために色々と悩むだろう。
 
石を投げても、自分のところには落ちてこず、川に落ちるかもしれない。
そうしたら、リンゴはムダになってしまう。
 
崖を登ろうにも、そんな経験が無いから、落ちて大ケガするかもしれない。
そうしたら、リンゴを取るのを諦める事になるかもしれない。
 
そこで、どうせダメだと諦めかける者もいるだろう。
最初から無理だと言い聞かせて、次の食料を探す者もいるだろう。
 
 
しかし、本気でそれを安全に取ろうと思う人はどうするだろうか。
 
木を集めて組み、ハシゴを作って上に登ろうとする者もいるだろう。
土を盛って、そこまでなだらかな斜面を作ろうとする者もいるだろう。
猿に芸を仕込み、取って来させようとする者もいるだろう。
崖を登るプロになろうとし、身体を鍛えようとする者もいるだろう。
 
ここでリンゴを手に入れる事に躍起になっていると、最終目標がわからなくなる事も多い。
リンゴを得た時の喜びを味わうためにリンゴを取るのではない。
 
そもそも、解決するべき点はどこだったか。
それは自分がハラペコである事だ。
 
リンゴを取った時、すぐにそれを食べ尽くしてしまう者もいるだろう。
それを植えて末長くリンゴを収穫しようとする者もいるだろう。
 
しかし、畑が無ければ植えてもリンゴが育つ事はない。
畑があっても、良い土で無ければ育つ事はない。
 
【好きな人が出来た→イチかバチか告った→玉砕した】
こんな展開は、この例え話に当てはめて言えば、以下のようなものだ。
【リンゴ見つけた→石投げた→リンゴが砕けて川に落ちた】
 
その安易な思考でハラペコ状態を続けるのは実に愚かしい。
目先の欲に走るな。安易な考えで行動に移すな。
 
「片思いの状態が辛いから、どうせ付き合えないなら早く知りたい。」
などという、その場しのぎの痛み止めみたいなのも愚かしい。
リンゴを眺めて「どうせ手に入らないんでしょ。」と石を投げるようなものだろうか。
それでは手に入るものも手に入らないというもの。
 
男女を問わず、諦めながら生きていても面白くはない。
今はそれほど辛くなくても、それが積もり積もると引き返せなくなる。
 
 
イジケた人生は本当に悲惨なものだ。
そんな人生を送る人間は少ない方がいい。
 
 
2009/10/09


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