ゆうなのを迎えに行くため、電車に乗っていた。
すると、途中の駅で3世代母子が乗って来た。
若いお祖母さん、若いお母さん、そして2人の男の子。
2人ともまだ低学年、ヤンチャ盛りといったカンジに見える。
その子らは髪が茶色かった。
お祖母さんも茶髪。
お母さんは金髪。
こういうのはお母さんがやりたがるんだろう。
最近の小学生には茶髪の子がやたらと多い。
学校側が良い事と思えなくても、それは保護者に対して強く言えないだろう。
それは親の意思で茶髪にされていると思うからだろう。
しかし、学校側も中学に入ると一気に厳しくなってくる。
この年代で髪の毛が茶色ければ自分の意思でやっていると判断するからか、
学校によっては教師に髪の毛を引っ掴まれて「なんだこの髪は!」と怒鳴られる。
学校というモノの突然の変化にひどく動揺してしまう子供もいるだろう。
小学校までは多くの子供が憧れる『先生』という存在は、
中学校に入ると一気に厳しく『けじめ』や『規律』を押し付ける『教師』に変わる。
『上級生のお兄さん』という存在は『先輩』に変わり、
「おい、挨拶がねぇぞ!」などと威張りちらす。
これによって当たり前のように反抗期が訪れるのだ。
ただでさえ、第二次成長による身体の変化に戸惑っているというのに。
そういや、茶髪の件でもう一つ思い出した事がある。
会社員時代の同期に生まれつき色素の薄いIくんという子がいて、
彼は髪が茶色かったために、合宿研修の時に注意を受けていたのだ。
「社会人にあるまじき髪の色だ。」と偉そうなハゲが彼の頭を見て言った。
ちなみにそのハゲの役職は総務部長だった。
「髪は生まれつきで…ボク、色素が薄いんです。」と彼が言うと、
「そんな事情はお客様には関係無い。」とさらにハゲ散らかした。
Iくんはとても気の良いヤツで、みんなに好かれていた。
ハゲは頭の堅い偉そうな中年ガリガリメガネで、口煩い事で有名だった。
俺はIくんに同情していたが、ふと考えた。
この問題はどう決着を着けるべきなのだろうか。
色素が薄いのを黒く染めろというのはいかがなものか。
しかし、お客様を不快にさせる可能性を放置するのはいかがなものか。
解決方法はいくつかある。
1:黒く染める。
髪が傷むだろうし、手間も金も掛かる。
会社が強制するのなら、彼にその対価を支払うべきだろう。
2:お客様に認めてもらう。
色素が薄いから茶髪なのだというのを認めてもらうのではなく、
人当たりの良さや、信頼関係で認めてもらい、茶髪など大した問題ではないと思わせる。
3:会社を辞める。
雇う段階では会社側と彼に合意があったと判断できるので、
それに対して後になってゴチャゴチャ言って来る方がおかしい。
むしろ、会社側は一度認めたのなら、彼の味方であるべきだ。
今後、働く上でそういった面倒が続く事に苦痛を感じるのなら辞めるのもアリだろう。
4:外国の血が入ってると思わせる。
いっそ、ミドルネームを作って名札に書いてみたらどうか。いや、ダメか。
スイマセン、ちょっとフザけました。
俺としては髪の色で人を差別するのは良くないと思う。
特に古いタイプの日本人は『茶髪・金髪=悪い人・だらしない人』などとイメージしがちだ。
なんというか、心が狭いというか、了見が狭いというか。
そういう人間に限ってブロンド外国人と話す時にビビって笑いが引きつってしてしまうんだ。
そういや、俺の場合はそれを利用するために、あえて金髪にしていた。
人の予想を裏切る人物でありたかったとでも言おうか。
『チャラけてるくせに頼りになる。』とか、
『頭悪そうに見えて実は切れ者。』とか、
『怖そうに見えるけど、実は優しい。』とか、
そんなポジションにムダに憧れを持っていた。
まぁいいや。
ウダウダと話が長くなってきたな。
結局、俺はどう考えているのか。
それをまとめて書く事にしようか。
子供を茶髪にするとちょっと可愛く見えるけれど、
その子の頭皮が将来的に悲惨な事態にならなければいいなと思う。
学校側は茶髪の生徒に対する考えを小学校も中学校も一貫した方が良いと思う。
容認するなら容認するで、容認しないなら容認しないで、どちらかに決めるべき。
中学は反抗期に入る生徒も多いが、それに対して頭ごなしに命令するのではなく、
1対1の対当な人間として向き合い、心を開いて話し合い、納得させてから進むべき。
『オマエは子供だからダメ。』という理由では、
【大人の理不尽】と受け取られ、反抗心が増すだけで子供は納得しない。
そこを納得させられなければ、その教師も大きくなっただけの子供に過ぎない。
その辺を納得させられるだけのコミュニケーションスキルが教師には必須。
教育とはそれだけ重い責務があるという事を認識していない教師は、
子供に対して悪影響を与える事も多いので、専門の研修センターを作ってそこに送るべき。
中学校では必要以上に上下関係を強制するべきではない。
年上でも敬うに値しないヤツに頭を下げる必要は無い。
また、自分が先輩にイビられたとしても、自分の後輩には優しく接するべき。
部活の練習に対する意識を高めるために厳しくするのはわかるが、オフの時は関係無い。
色素が薄いなどの理由で他人に対して偏見を持つべきではない。
他人に偏見を持つ者は偏見を持たれる事を怖れる弱き者であり、その生を恥ずべき。
世の中にはカッコイイ茶髪もカッコ悪い茶髪もある。
同じように、カッコイイ黒髪もあればカッコ悪い黒髪もある。
自分に似合ってると自己満足して気分が良くなってれば、それはとても良い事だと思う。
それに対しては他人が口を出すべき領域ではない。
ただ、それによって他人に迷惑を掛ける事があれば、それは控える必要があると思う。
俺の考えはこんなトコだ。
俺の意見が正しいとか間違ってるとか、そんな事はどうでもいい。
これを読んだオマエらが色々と考えるようになれば幸いだ。
2006/12/29
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