網戸の周りを飛び回り、ブンブンと羽音を立てるミツバチ。
「うっとうしいな。」
この小さい虫が刺すにしろ刺さぬにしろ、不愉快に変わりは無い。
ヤツがレースのカーテンの内側に入った時に俺は網戸を少し開けた。
「ほら、とっとと逃げろ。」
しかし、ヤツはその隙間を無視してカーテンから部屋に出た。
おや、一回り大きくなっているぞ?
ミツバチだったはずのそれは少し長細く大きくなり、体の黄色と黒をより鮮明に変えた。
「げ、アシナガバチだ。」
こうなるといよいよ無視は出来ない。
人を刺す可能性も赤マル急上昇だ。
ヤツが再びレースのカーテンの内側に入った時に、
俺はカーテンを押さえてヤツがこちらに出れないようにした。
網戸を再び開けるがやはりヤツは出て行こうとはしない。
「またデカくなってる!」
ミツバチだった頃が懐かしい。
とうとうスズメバチになってしまった。
もう放ってはおけない。
刺されたらエライ事になる。
これはやられる前にやるしかない。
俺はカーテンを押し付け、ヤツの身動きが取れないようにした上で頭を捻り潰した。
カーテンを持つ手を緩めるとヤツの体はアルミサッシにポトッと落ちた。
そこにはヤツと同等なサイズのアリの死骸が転がっていた。
「ハチとアリって似てるなぁ…。」
色は違えど姿形はそっくりだ。
そこで目が覚めた。
:追記:
最近はハチの夢が多いな。
これで三連続だけどハチに何かあるの?
何かの暗示ですか?
まぁどうでもいいけど。
2004/07/29
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