森の中に居た。
俺の他には5人くらいの同年代の男が居た。
俺はそのうちの一人に敬語を使っていた。
よくわかんないけど、仕事関係の人物のようだった。
仮にAさんとしよう。
森を歩いている時、ひょんな事から虫取りの話になった。
Aさんが言い出した一言がキッカケだった。
『子供の時は虫取りしたっけ。ここならいっぱい採れるだろうなぁ。』
それを聞いて俺はヤンチャ小僧の血が騒いだ。
『俺は一日でカナブン150匹採った事がありますよ。』
Aさんの目がキラッとこっちを見た。
『俺も負けませんよ?』
そこからは何故かみんなダッシュで虫取り網を手に取り、
森の奥に入って行ってセミ取り競争をする事になった。
『制限時間は30分!レディーゴー!』
俺はどんどん奥に入って行った。
2人ほど俺のお供に着いて来た。
すると目の前にログハウス風の歯科医院が見えた。
小綺麗でそこそこ流行っているようだった。
連れの一人が俺に言った。
『いいっすよねぇ〜有也さんは。資格取ればココの後継ぎっすもんねぇ〜。』
あれ、俺の親族に歯医者なんて居たっけか。
一瞬、そう思ったが夢の中では意識が薄弱なためにまともな判断力は無い。
『あぁ、まぁそうだな。』
テキトーにこう答えた。
俺はその後でずっと考えていた。
俺が後を継ぐとなるとこれから医学部に通わなきゃなのか?
俺はこのまま資格をもらえるわけないし。
あ、じゃあ大学受験とかするの?
俺、もう26歳なんですけど。
どう考えても30歳越えちゃうじゃんよ。
ヤダヤダそんなの。
そこまで考えて、「いやいや、ムリだろ。」と呟いた。
その時、森の中にチャイムの音が鳴り響いた。
ピンポーン。
ん?チャイムだぞ?
もう一度鳴った。
ピンポーン。
そこで目が覚めた。
寝ぼけながらドアを開けるとあの子が居た。
ギュッと抱きしめてから夢の話をしたら彼女は笑っていた。
2005/08/20
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