このコラムを書いている現在、日テレで24時間ＴＶがやっている。
この24時間TVに対して毎年のように『ヤラセ』とか『偽善』とか言うヤツがいるが、
それはちょっといかがなものかと思うのだ。
知る人も多いと思うが、2002年8月25日には24時間テレビ爆破予告があった。
番組のＨＰ宛に携帯電話から下記の内容のメールがあったのだ。
武道館爆破 今、武道館の女子トイレに爆弾をしかけた。
あと5分で爆発するようにした。ざまあみろ
これを受けて番組スタッフは15分間の入場制限を行った。
時間になっても爆発は起こらず、爆弾も発見されずに終わった。
そして、10月25日に威力業務妨害容疑で愛知県の私立大学３年の女を逮捕。
また、この女は同日午前中にも「今年もやらせ番組をやってますね」とメールしていた。
逮捕後にこの女が残したコメントは、
『自分もボランティア活動をしているが、ヤラセっぽい番組が気に入らなかった』
この女は精神的に幼いからこういう事をしてしまったのだと思う。
その幼さとは純粋さの表れでもある。
純粋な気持ちでボランティアをする立場の人間からすれば、
お祭り騒ぎで金を掻き集めて「私たちは良い事してます。」みたいな顔をされるのが、
非常に不愉快に感じた上に、それが間違った正義だと思ったのだろう。
だが、TV番組である以上、ヤラセは当然だと思うべきだ。
初めから台本が用意されているのだから。
番組の最後にエンドロールで脚本家やら放送作家やらの名前が出てくるだろう。
そういうシナリオでやった１つのショーだと思うべきだ。
偽善というのも少し的外れかもしれない。
『大企業なら社会貢献の一つでもしなければならない』という風潮が日本にはある。
そこで大企業は『我が社はこうやって社会に貢献していますよ、
儲けてるだけじゃなく還元してますよ』という事を世間にアピールするために、
様々な社会貢献事業を行っている。
かといって、企業たるもの、ただただムダに金を浪費するわけにもいかない。
そこで社会貢献内容を大いに宣伝する事によって社会的知名度を上げているのだ。
社会貢献が企業価値を高める効果もあり、費用対効果も大きい。
ある会社は140億円の経費に対して、160億円の間接利益があったと算出している。
また、社会貢献と一口に言っても内容は各社様々である。
『○○に協力しています』といって慈善団体に金を出すだけの企業もあれば、
自ら新しいプロジェクトを立ち上げて推進していっている企業もある。
例えば、トヨタ自動車では豊田市郊外のフォレスタヒルズに「トヨタの森」を作り、
自然の力を環境に生かす実験をする事で社会貢献を行っている。
また、白川郷に自然学校を開校して、自然と共生するための環境教育を行っている。
ホンダ技研は中国のホルチン砂漠に森を作るプロジェクトを推進している。
また、日本の川の流れを支える水源でも森林保全活動をしている。
素足で歩ける砂浜を次世代に残すためにビーチクリーンをしている。
このように社会貢献には様々な形がある。
今、挙げた例は地球環境問題に取り組むモノだけだが、
それぞれの企業が地域社会との共生、子供の教育、福祉活動などを展開している。
そういった活動の一つとして日本テレビがやってるのが24時間ＴＶ。
偽善だろうとヤラセだろうと助かってる人間がいるのも事実。
困ってる人にとっては偽善だろうとタテマエだろうと助かるものに変わりは無い。
『しない善より する偽善』とはよく言ったものだ。
確かに、いちいち感動的にしようとしたり、作り話で泣かそうとしたり、
そういう小ネタが鬱陶しくてしょうがないし、最後のサライもアホかと思うのもわかる。
芸人を起用したマラソンで「勇気をもらった」なんて言ってるヤツを見た事も無い。
それでも最終的にあのお祭り騒ぎで多額の募金が集まっていて、
それが福祉活動などに少なからず使われて社会貢献にはなっているのだ。
誰にも攻める権利は無いし、見たくなければ見なければいい。
24時間ＴＶは日本一鬱陶しい社会貢献活動なんだよ。
それでいいじゃねぇか。
いちいち批判してるヤツを見ると大半が社会に出てないガキばっかりだ。
１つの企業の社会貢献活動がどんなに鬱陶しくても見ぬフリをするくらいの大人になれ。
嫌うなら嫌うで話題にもしなけりゃいい。
「24時間ＴＶが嫌い」と言う事自体が『世間で話題になってる』という事実に結び付くんだ。
本当に嫌うのならその活動そのものに無関心になるべきなのだ。
それが企業にとって一番の打撃なのだから。
ちなみに俺はグダグダな雰囲気の番組が嫌いなので見ない。
長い時間やっていると進行もキャストもグダグダになったりするからイヤなんだ。
ハプニングがあってもYoutubeでまとめて見ればいいし。
裏番組の方が張り切ってて面白かったりするしな。
今年はフジテレビがムダに対抗心を燃やしてて面白かった。
めちゃイケでエスパー伊東のヘタレっぷりに大爆笑。
そうそう、日テレがやってる社会貢献には他に『愛の小鳩事業団』というのがある。
目の不自由な人に対しての手術費用の補助や、手話スクールの開講や、
聴力言語障害児の早期発見プログラムへの協力をやっている事業団だ。
また、文化遺産の修復･修繕事業プロジェクトも行っている。
まぁ、こっちの方は24時間TVに比べてあまり大きく宣伝してないが、
これはこれでかなりの費用が掛かっているモノと思われる。
企業経営ってのは大変なもんだな。
面倒臭くて俺にはできないよ。
2006/08/27
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