真っ白な子猫は空に飛んで行った。
きっと雲だったんだろう。
真っ白な犬はカウンターの下で寝ていた。
きっと待っててくれたんだろう。
真っ白な犬と真っ黒な自分が灰色の道を歩いて行った。
「家に帰るか。」
真っ白な犬は何も言わずに着いて来てくれた。
それだけで涙が出るほど嬉しかった。
ちょっとだけ白に近付いた気がした。
今はまだ限りなく黒寄りの灰色だけど。
その犬はそれでも自分は白ではないと言ってた。
あぁ、そうか。
盲目になるなって事だね。
それでも信じたいと思ったら弱さだよね。
忘れてたよ。
じゃあ俺は黒く生きるよ。
内臓までは黒く出来ないかもしれないけど、出来る限り黒く。
そして白い毛皮を身にまとうよ。
アンタがそうしているように。
そうだろ?犬神様。
その犬は、白くて黒いその犬はニヤリと笑った。
魚に続いて俺は犬の信者。
2005/01/13
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