夢の中で俺は子供になっていた。
親父が俺達の事を見捨てると言い出した。
『俺にもやりたい事があるんだ。オマエ達の面倒は見ない。』
「なんでだよ!」
「勝手過ぎる!」
「責任取って面倒見ろよ!」
そんな言葉をいくつも吐いたけど、
『俺はもう決めたんだ。』と言って親父は去って行った。
俺が自分勝手なのもワガママなのも親父譲りだ。
それでも家庭だけは大事にしてくれてたから安心しきっていた。
俺は親父の後ろ姿を見て途方も無い喪失感を感じて叫んだ。
「待って!待ってよお父さん!」
その瞬間に目は覚めたが俺はまだ泣いていた。
「ヒック、ヒック」と嗚咽を上げて泣くのは何年振りだったろう。
寝覚めが悪かったのでそのままもう一度寝た。
2005/01/16
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