Love at once


 33   ホストの彼女
 
「…ちょっと、人の話聞いてるの?」
ハルカが不機嫌に睨みつけている。
 
「あ…。ゴメンなさい…。」
私は呆然としていた事に気付き、ハッと我に返って謝った。
 
「別に私は彼女でも何でもないから、あんたにいちいち断られる筋合いは無いよ。」
「…。」
 
「でもね、覚悟しなよ。あの人に惚れても辛いよ。毎日色んな女の子を相手に接客するんだよ。」
「…。」
 
「アンタ、そういうのに耐えられるの?」
「…わかんない。」
 
「子供の恋愛観じゃホストの彼女になんかなれないんだよ。」
「私は彼女になりたいなんて…そんな…。」
 
「じゃあ何なのよ!」
「私は…私はただ、一緒に居たいなって…。」
 
「お金あるの?」
「えっ?」
 
「京也と付き合うのはお金要るんだよ。」
「え…何で?」
 
「彼がホストだから。当然じゃない。」
「そんな…。」
 
どうしよう。
お金を出さないと会ってもらえないのかな。
でも昨日は高速道路の料金もジュース代も京也さんが出してくれた。
でも京也さんにとって、私はあくまでも『ハルカの友達』であって、『恋愛対象』ではないのかな。
 
 
更新日:2004/11/28


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