スーツを着て、ネクタイを締めて、アクセサリーを着けて、髪をセットして。
京也さんはドンドンお仕事モードに入っていった。
目つきもキリッとしてきた。
「あ、ねぇ。香水とか使ってる?」
シャネルのアリュールを手にした京也さんがこちらを見て言った。
「え?あ、うん。オーデグッチ使ってる。」
「今持ってる?」
「うん。あるよ。」
「じゃ、ちょっと貸して。」
「うん。いいよ。」
私はバッグからオーデグッチの入った小ビンを出して京也さんに渡した。
京也さんはそれを手首に付け、首筋に付けて息を吸い込んだ。
「これ気に入った。オーデグッチか。今度買おうっと。」
「こういうの好き?」
「だってオマエと同じ匂いじゃん。」
私の胸がドキンと音を立てた。
更新:2005/01/06
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