「…その男はオマエへの愛情よりも自分のプライドの方が大事だったわけか。」
タバコをくゆらせながら京也さんは言った。
確かにそうだ。
ヒロくんはそこまで私の事を好きじゃなかったんだ。
私はその言葉を聞いてまた泣いた。
「あ、なんかこれじゃ俺が泣かせてるみたいじゃん。」
京也さんはそう言って笑った。
「ゴメンね。泣いてばっかりで。もう平気だと思ったんだけど、やっぱり実際に見ると辛い。」
私は必死に泣き止もうと思ってそう言った。
「いや、泣きたい時は泣いた方がいいんじゃん?」
京也さんは私の隣に来て頭を撫でてくれた。
「我慢はカラダに良くないっしょ。」
京也さんが微笑んでそう言ってくれた時、心がキュンと泣いた。
そして私は京也さんに抱きついて思いっきり泣いた。
「よしよし。」
京也さんはずっと頭を撫でてくれた。
京也さんの匂いはオーデグッチだった。
更新:2005/02/02
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