Love at once


 72   二連敗
 
「じゃあ、行って来る。」
「うん、行ってらっしゃい。」
 
私は玄関のキッチン前で手を振った。
 
パタン
 
玄関のドアが閉まると私は急に寂しくなってきた。
 
ブォォォン
 
裏の駐車場から京也さんの車のエンジンの音が聞こえる。
私は車を見送ろうと、裏の駐車場が見える窓を開けた。
 
しかし、車に京也さんの姿はなかった。
 
「あれ?どこに行ったんだろう?」
 
私は辺りをキョロキョロと見回した。
どこにも京也さんの姿は見えなかった。
 
ピンポーン
 
その時、急にチャイムが鳴った。
 
え?誰だろう?
私は恐る恐る、玄関に近づいた。
 
「俺〜。開けて。」
 
京也さんの声だった。
私は急いでドアを開けた。
 
「どうしたのっ…。」
ドアを開けると、いきなり京也さんにキスされた。
 
「忘れ物。ちゃんと留守番してろよ。」
京也さんはそう言ってニコッと笑って出かけていった。
 
やっぱり京也さんにはかなわない。
 
 
更新:2005/02/26


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