「じゃあ、行って来る。」
「うん、行ってらっしゃい。」
私は玄関のキッチン前で手を振った。
パタン
玄関のドアが閉まると私は急に寂しくなってきた。
ブォォォン
裏の駐車場から京也さんの車のエンジンの音が聞こえる。
私は車を見送ろうと、裏の駐車場が見える窓を開けた。
しかし、車に京也さんの姿はなかった。
「あれ?どこに行ったんだろう?」
私は辺りをキョロキョロと見回した。
どこにも京也さんの姿は見えなかった。
ピンポーン
その時、急にチャイムが鳴った。
え?誰だろう?
私は恐る恐る、玄関に近づいた。
「俺〜。開けて。」
京也さんの声だった。
私は急いでドアを開けた。
「どうしたのっ…。」
ドアを開けると、いきなり京也さんにキスされた。
「忘れ物。ちゃんと留守番してろよ。」
京也さんはそう言ってニコッと笑って出かけていった。
やっぱり京也さんにはかなわない。
更新:2005/02/26
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