「お母さん、私のケータイは？」
仰向けに寝ながら私はお母さんに聞いた。
「あんたのケータイならお母さん持ってるよ。何度も何度も電話が鳴ってたわ。」
「えっ！お母さん、電話に出た？」
「ううん。出てないわよ。出た方が良かったの？」
「誰から？誰から電話来た？」
「【京也さん】って表示されてたわね。メールも何件か来てたみたいだけど。」
「見たい！今すぐ見たいよ、お母さん。」
お母さんは病院ではケータイを使えないので家に置いてきたらしい。
「すぐに取って来てあげる」と言って病室を出て行った。
私は窓の外を見た。
夕焼けがキレイだった。
涙が止まらなかった。
京也さんに会いたい。
更新：2005/03/08
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