Love at once


 80   ご対面
 
20分もしないうちに足音が聞こえてきた。
病院の廊下を革靴で走って来る。
間違い無く、京也さんだ。
 
「お母さん、彼氏が来てくれたよ。」
「え?彼氏?」
 
病室のドアが開いて京也さんが息を切らせながら入って来た。
京也さんは私を見て驚いた顔をしていた。
 
「大丈夫なのか?」
「色んなトコの骨が折れてるって。」
 
「治るのか?」
「うん。3ヶ月くらいしたら治るって。」
 
「どうしてこんな事に…。」
そう言ってからすぐに京也さんはお母さんの存在に気付き、慌てて挨拶をした。
 
「あっ、スイマセン。気付かなくて。俺、京也といいます。」
「初めまして。ケータイにいっぱい連絡を下さってた方ね。」
 
「スミマセン。事故の事はさっき初めて知ったもので。」
「あら、知らなかったの?」
 
「えぇ、違う情報を鵜呑みに…。」
「違う情報?」
 
二人が私の方を見た。
私は事故に至った理由を二人に話した。
 
 
更新:2005/03/13


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