ミッコは事情を全部知ってる。
私と京也さんが会わなくなった理由も。
ミッコはそれでも会いに行こうと言ってる。
まだ望みはある、とでもいうのだろうか。
そういえば、私は京也さんの店の名前も場所も知らない。
店の名前も場所も知らなければ会いに行けない。
「京也さんの店、知らないんだ。」
「マルマルっていう雑誌に載ってたよ。前にハルカが持ってたんだ。」
「マルマル?」
「ホスト専門誌だよ。色んなお店の広告が載ってるの。特集とかもやってる。」
「そんな雑誌があるんだ…。」
「買いに行こう。ね?」
「でも…ムリだよ…。」
「何が?」
「行っても迷惑に決まってる。」
「フゥ…。どっちにしろアンタこのままじゃ諦めが付かないでしょ?ほら、行くよ!」
ミッコはバッグと部屋の伝票を持って行ってしまった。
私はすぐに追いかけた。
「待ってよ、ミッコ!」
更新日:2005/03/23
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